百三十一通目 Alles Liebe ページ32
平穏に浸るAに声をかけたのは、よれたスーツを纏う鬱先生出会った
城壁の見回りか何かだろうか
Aは瞬間そう思ったが、彼のような幹部にそんな雑務を任せる兵はいないだろう
──Aは未だ、彼に課された仕事の全容を知り得てはいないのだけれども
『鬱様。少し休憩していたんですよ』
「そうなん？じゃあ僕もそうするわぁ〜」
なるほど、今まで仕事をしていたのか
ならば何を？
──そこで思考は止まった
何も思い付かない故に、だ
いわばミステリアスな鬱先生については、内情を詮索しようとするたびに、考えが遮断されてしまう
理由はわからない
わかったのなら、どれほど楽なことか
「そういえば、ありがとうなぁプレゼント。嬉しいわぁ」
そういって鬱先生がAに見せたのは、彼女が送ったうさぎのキーホルダー
どうやら彼はたいそう大事に思っているらしく、取り出したのは服の胸ポケット
その動作を視認すると、Aは恥ずかしそうに頬を掻いた
『まさか、そこまで気に入っていただけたとは……嬉しい限りです、こちらこそありがとうございます』
「んふふ、Aちゃん趣味ええねんな。すっごい可愛いわぁ」
彼女が購入したそれは、確か【うさまる】という名を冠していただろうか
女子高生やらに人気のそれを鬱先生が好きであると、僅かながらにも入手した情報
間違いはなかったらしく、Aは安堵で笑みを浮かべた
「そんなAちゃんに、ちょっとしたこと教えたげる。っていってもまぁ、戦争──指揮に関することなんやけども」
『なんですか？』
「戦争の指揮中、僕らの名前出すのはNGな」
『何故？』
「無線やから、情報漏れる可能性含んどるんよ。名前とかは、結構重要やさかいに、号持ちな幹部らはそれで指揮してもらわんと困るんや」
なるほど、彼の言うことにも一理はある
指揮官の無線は、いわばその人物がどこにいるかを察する鍵になってしまう
名指しならば尚更
それは、自軍にとっての大損害につながる
どれだけの戦力を保有していようとも、情報漏洩があればそれは大きなハンディキャップ
「やから、号教えたろかなぁって。まぁ、グルちゃんにAちゃんの号つけてもらってからな」
ただのA・ヴィジールに、号がつく
職名ではなく、れっきとした称号
考えたことがないそれに、Aは心を踊らせた
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みたら士(プロフ) - Mahtaさん» こんなところに通が？！これは今後が大変そうです( 'ω' ) (2019年8月14日 19時) (
レス) id: 92ac31019d (このIDを非表示/違反報告)
Mahta - ワルサーP.38ね。かの有名な大怪盗ルパン三世も使っている拳銃だね。センスがいい。(上から目線マジすんませんいまね、なんかね、むしょうにちゅうにごころがあれなんだよ)(読みにくい)頑張ってください (2019年6月30日 20時) (レス) id: 48ed6174b8 (このIDを非表示/違反報告)
ロックン(プロフ) - みたら士さん» はい！わかりました！ (2019年2月13日 17時) (レス) id: 92cf6928d1 (このIDを非表示/違反報告)
みたら士(プロフ) - ロックンさん» も！ち！ろ！ん！で！す！ツイッターの方で私を調べ、話しかけていただいても……？ (2019年2月13日 17時) (レス) id: d493129e91 (このIDを非表示/違反報告)
ロックン(プロフ) - 表紙描いて欲しいです(唐突)私の画力じゃ、表紙に飾れないので。お願いします。 (2019年2月13日 16時) (レス) id: 92cf6928d1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みたら士
| 作成日時：2019年1月1日 19時
