三百六十二通目 ページ13
マチルダ国 北西の街クミケル
かなり前までこの地域では、市長による不正が横行しており、住みよい街とは言い難かった
おかしな納税額
だが市長に進言できるものは出てこず、市民は苦しみながらも細々と生活をしていたのだ
しかし一年半ほど前の事
颯爽と現れた人物が市長の不正を暴き、週刊誌に堂々掲載
新たな市長と成り代わり、市民の不満を順々に解決していった
住みたくない街ナンバーワンだったクミケルは、またたく間に住みたい街とはナンバーワンに輝き
その街の賑わいは、かつての暗澹さの影すら残していない
──そしてこの街では、事件の発生が極端に少ないのである
何故ならば
事が起こる可能性を、未然に防いでいるからだ
「そこの荷馬車、止まれ」
街に入るための大門を潜ろうとすると、門番が馬車の前に割り行って制止させる
何事かと思いながらもAは、木箱の隙間から御者席を除いて状況を見るのだった
「貴様、何者だ。路店商か？」
「ええ、そです。こちらで商売したいなぁと来た次第ですわ」
少し飄々とした態度で、兄さんが検問に対応する様子を聞く
「荷台を見させてもらおうか。怪しい密輸等の気配があれば、即刻取り押さえさせてもらおう」
その言葉を聞いた直後、Aは身の危険を察知した
Aは今、品物が乗せられている荷台にいる
それはつまり、外野から見れば商品であると思われるも同然のことなのだ
そして今この荷台には、Aが持ち込んだポーションがある
一般には流通していない薬品
それにより、予測されるのは──
「おい、女が荷台に乗っているぞ！」
「っあ」
身を隠す場所があるわけもなく
Aは荷台に乗ってきた検問に腕を掴まれる
「ちょ、離してくださいッ」
「人身売買か？いや、まて」
二人目の男の目がAを捉え、ふと大きな鞄に向けられる
まずい、そこには──
「ッ薬品か！まさかお前ら、密輸か？！」
不幸が重なる
「ちが、いますってば！」
Aは腕を振り払おうと抵抗をするが、相手は男である故に叶うはずもなく
「抵抗するな！おとなしく来てもらおうか」
荷台から無理くり降ろされる
言い訳すらも聞く気はないようだ
「お前も降りろ！」
後方で、兄さんも厄介をかけられている声が聞こえる
一体どこに連れて行かれるのか、そんなAの疑問すらも検問は聞き入れることはなく
兄さんとは離れ、Aはお役所の奥の部屋へ連れて行かれるのだった
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萌木 - もしかしたら意図的で、この先の話を読んでいないのでそんなに偉そうに言えないですし、このコメントが届いているのかもわからないですけど、 三百七十六通目の最後、兄さんはヴィルヘルミナの名前しか知らない筈です。 ご確認お願い致します。 長文失礼致しました (2022年7月8日 17時) (
レス) @page27 id: 7b477ee6df (このIDを非表示/違反報告)
bh(プロフ) - 心の中で盛り上がってまいりましたと踊っています。主人公がうっに再会できること心より楽しみにしております。 (2020年1月22日 23時) (レス) id: 204dfe46bb (このIDを非表示/違反報告)
歌い手総推し！&外資系と書記長寄りの箱推し！ - とうとう運命の瞬間が…！niさんと夢主ちゃんはどのような反応をするのか…楽しみに待っています！ (2020年1月22日 13時) (レス) id: 6e4f801f19 (このIDを非表示/違反報告)
みたら士(プロフ) - 茶葉さん» （コメントの検索避けありがとうございます）二人の関係がどう動くのか……夢主の運命は……どうぞ楽しみにお待ちください (2020年1月21日 20時) (レス) id: 88ea3ab685 (このIDを非表示/違反報告)
みたら士(プロフ) - しゅがーさん» そろそろ�修砲眛�りますし、物語は展開を続け……この質問が一体どうなってしまうのか、ご期待しつつお待ちくださいな (2020年1月21日 20時) (レス) id: 88ea3ab685 (このIDを非表示/違反報告)
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