三百五通目 ページ6
一瞬、理解ができなかった
何故急に私の頭脳の話になるのだろうか？
やけに憂いを帯びた兄さんの顔が、脳裏に焼き付いて離れない
懐かしむような、悟ったような表情
何故急に、こんな顔を
「……今を生きる秀才に、なれると思うんよ」
ポツリ、ポツリと兄さんが言葉を吐露する
その目はAでなく、別の誰かを見ているような
明後日を見つめたような、瞳
ふいに目線を落とすと、彼は懐から煙草を取り出して、こなれた手つきでそれに火をつけるのだった
「この世界を漁っても、歴史に名を残すほどの【生きる秀才】は、そうそうおらんのや」
かつて生きていた、現在語り継がれる存在は、星の数ほど存在している
ヘカテやアフロディーテ、モルガナ
上記はそもそも存在していたのかすらわからない、神話レベルの者達──最早、神と崇められている
アリストテレスなどの、心理学者、哲学者、科学者は、様々な見解を示した、頭脳的な面で高く評価された
「現アルプトラウルム国国王の、ロヴェーデン……なんちゃらかんちゃらフォン・アルプトラウルムも、今を生きる秀才や」
──他には、現我々国総統の、グルッペン・フューラーなんかやろなぁ
そう続けていった兄さんの言葉に、思わず過敏に反応し、肩を震わせてしまう
しかし当人である彼は足元を見たままで、Aのその様子には気がついていないようだった
確かに、罪人も歴史に名を残す
マリー・アントワネットのような、我儘で傲慢な女王等
──兄さんはただ、Aには将来そのようになってほしくないと、真摯に願っているのだ
頭脳、実力ともに卓越し
慧眼さを有しながら国家を統帥する
それほどの人間に、なれると
「Aなら……なれるんやないかなぁって、思うんよ」
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みたら士(プロフ) - 名無しの××さん» ありがとうございます……適度に休憩しつつ更新させていただきます、お待ちください！ (2020年1月3日 23時) (
レス) id: 88ea3ab685 (このIDを非表示/違反報告)
名無しの×× - この小説が大好きです。大変だとは思いますが更新頑張ってください。応援しております。 (2019年12月29日 15時) (レス) id: f98b79cb93 (このIDを非表示/違反報告)
みたら士(プロフ) - 妖那。さん» ついにですね……でももう少しで�柴�りそうになっちゃいました。ご心配ありがとうございます、ゆるりと更新していこうと思います (2019年12月22日 21時) (レス) id: 88ea3ab685 (このIDを非表示/違反報告)
みたら士(プロフ) - ブンブンさん» 満を持して登場です、続編来ちゃいました (2019年12月22日 21時) (レス) id: 88ea3ab685 (このIDを非表示/違反報告)
妖那。(プロフ) - ついにVIIですね…!体調を崩さない程度に更新頑張って下さい！ (2019年12月20日 22時) (レス) id: 4a3820ee7b (このIDを非表示/違反報告)
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