三百三十一通目 ページ32
四日目
Aはひたすらに的を狙い続けた
それは最早、缶のみに留まることはなく
巨木になった木のみだとか
落ちゆく枯葉だとか
高く遠い場所の物、不規則に動く物
様々な物に瞬時に照準を合わせ、武器を放つ訓練
──精度で言えば、かなり高いだろう
地面に散る数十枚にもなる木の葉をみながら、Aはそう思った
風にあおられて飛ぶ木の葉を射落としては引き寄せ
また構えて投げては貫いていく
機械的に繰り返しては、どんどん技術力が発展していく
最初こそは手のひら程の大きさの葉の端部分に小穴をあける程度だったけれども
今では葉脈の中心だとか、茎と葉の接着点だとか
狙った場所のさらに細部まで目標を引き絞ることに成功した
そこはもう、反射神経テストのような範囲だが
──Aにとって反射行動は、得意分野である
その日の太陽が暮れる頃にはもう
鏢はまるで、Aの腕の延長線のように
自在に操ることができるようになっていた
射抜くも引き寄せるも縛るも
自由自在に、縦横無尽に
何よりも早く、鋭く
五日目
Aは兄さんと再び、野山を駆けていた
今度はくたばることはなく
しかし休憩はとりながら
完走しきった頃には日が暮れていて
汗ばんだ体を洗うように入るお風呂は格別だった
四肢の痛みはお構いなくで
──いや最早、ここ数日体に苦労をかけすぎて、痛みなんてなんてことはなかったのだけれども
Aは何かが振り切れたように、余力を惜しむことはなくなった
一体なんの枷を外したのかは、兄さんにはわからない
前二日で何をしていたのかもわからない
──そう、Aは兄さんに、缶を穿ったことは教えなかったのだ
六日目は、剣術を行って
七日目の兄さんが旅立ってしまう直前に、手合わせをすることになった
鏢と剣を利用さて戦うのだ
そのときのために
刃は隠しておくことにした
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みたら士(プロフ) - 名無しの××さん» ありがとうございます……適度に休憩しつつ更新させていただきます、お待ちください！ (2020年1月3日 23時) (
レス) id: 88ea3ab685 (このIDを非表示/違反報告)
名無しの×× - この小説が大好きです。大変だとは思いますが更新頑張ってください。応援しております。 (2019年12月29日 15時) (レス) id: f98b79cb93 (このIDを非表示/違反報告)
みたら士(プロフ) - 妖那。さん» ついにですね……でももう少しで�柴�りそうになっちゃいました。ご心配ありがとうございます、ゆるりと更新していこうと思います (2019年12月22日 21時) (レス) id: 88ea3ab685 (このIDを非表示/違反報告)
みたら士(プロフ) - ブンブンさん» 満を持して登場です、続編来ちゃいました (2019年12月22日 21時) (レス) id: 88ea3ab685 (このIDを非表示/違反報告)
妖那。(プロフ) - ついにVIIですね…!体調を崩さない程度に更新頑張って下さい！ (2019年12月20日 22時) (レス) id: 4a3820ee7b (このIDを非表示/違反報告)
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