三百二十九通目 ページ30
──Aはゆっくりと、イメージした
この鏢の刃先が缶の側面から側面へ貫いたとき
それはAが強くなった証であると
力があるのならば、我々国に入ることができる可能性が増える
例えばそうだな、軍兵だろうか
軍に志願すれば、遠巻きからでも彼等の活躍を見ることができる
死没してしまった幹部の残り香、といえば聞こえは悪いけれども
残されてしまった者達の苦労を、見届けることができるのだ
力があれば、指揮官候補生となることもできるかもしれない
実力を得てすれば、可能性は広がる
不可能がほんの少しだけ、可能に寄ってくるかもしれない
であれば、と
Aは目を見開くと、目標を視界の先へ見据えた
数十メートル先の、手のひら程の大きさをした的
狙うはその中心
パッケージのど真ん中から、反対側へ貫くのだ
Aは上体低く屈ませ、前傾姿勢になりながらも手を交差させると、鏢を構えた
指先に力を込め──射出
横投げに飛ぶナイフ
数秒にも満たない速さだが、Aにはゆるりと飛んでいるように見えた
風向きは追い風
背を押すように、その速さを促進させる
段々と、刃先は缶に寄り
──右手にしっかりとした衝撃
耳に入って来た音は、カンッという響きの良い音
それらに「何か」を確信したAは、机をこえて地面に突き刺さった鏢を回収するように、勢い良く紐を引いた
そうして手に収まる者
左手には、泥のついたナイフが
右手には
──しっかりと缶を貫いたままの、ナイフが
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みたら士(プロフ) - 名無しの××さん» ありがとうございます……適度に休憩しつつ更新させていただきます、お待ちください！ (2020年1月3日 23時) (
レス) id: 88ea3ab685 (このIDを非表示/違反報告)
名無しの×× - この小説が大好きです。大変だとは思いますが更新頑張ってください。応援しております。 (2019年12月29日 15時) (レス) id: f98b79cb93 (このIDを非表示/違反報告)
みたら士(プロフ) - 妖那。さん» ついにですね……でももう少しで�柴�りそうになっちゃいました。ご心配ありがとうございます、ゆるりと更新していこうと思います (2019年12月22日 21時) (レス) id: 88ea3ab685 (このIDを非表示/違反報告)
みたら士(プロフ) - ブンブンさん» 満を持して登場です、続編来ちゃいました (2019年12月22日 21時) (レス) id: 88ea3ab685 (このIDを非表示/違反報告)
妖那。(プロフ) - ついにVIIですね…!体調を崩さない程度に更新頑張って下さい！ (2019年12月20日 22時) (レス) id: 4a3820ee7b (このIDを非表示/違反報告)
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