二百五十五通目 ページ6
昼の刻
Aの予測演算どおりに、ガニマール平原が戦場と相成った
五キロにも満たないその場、周りを山々に囲われながら、兵士は剣を交える
剣戟は留まることを知らず
一人、また一人と負傷者が増え
一つ、また一つと命が消えゆく
Aは小高く周囲をよく見渡せる丘の上に本部を築き、作戦を練っていた
救護所も付近に備えてあるこの場は、大勢に叩かれればきっとすぐに潰れてしまい、そのまま国の中心──城まで電撃戦となるかもしれない
それでもこの場の警備は厳重
よっぽどの実力者でもなければ、容易く通り抜けることは不可能である
「……やはり、手数が悪いですね……」
「ッA殿、ここはやはり左翼から第二部隊で取り囲むように」
「そうすると火力が足りません」
「……では、第三、第四も」
「他所のバランスが崩れかねません……それに、それほどの大隊を動かせば、敵も囲いに気がつくはず」
──戦況は、良くも悪くもなかった
実力的には勝っているが、何分あちらの方が数が多い
油断をすれば、一気に戦況が傾く可能性も……
──そんな時だった
Aの耳──正しくはインカムに、劈くようなノイズ音
「ッ……？！」
思わず耳を抑えたAを、ベリヌーイが訝しげに見た
それすら気に取られることはなく、Aはそのノイズに混じった何か──誰かの声のようなものに、耳を澄ませる
「る……、き………き……！」
段々と鮮明になり、潰れていた語尾や頭言葉が聞き取れるようになるそれ
復唱される言葉に、食い入るように聴き込む
「き……が、た！……えす、きん……う……が、した！繰り返す！緊急無線を起動した！」
「ッロボロさん！」
その声の主は、機会管制のロボロその人で
──先程まで使えなかったはずのインカムが、急に起動を起こしたことに疑問を抱きながらも
Aはロボロに返答を投げる
「こちら本部、聞こえますか？」
「ッおお、Aか！……今こっちで、緊急用の設備起動した！これで、幹部に渡したインカムは全部つながるはずや……」
──さすがの技量だと、Aは思わず目を見開いた
約半日で、そこまで高度な技術を起き上がらせるとは
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bh(プロフ) - 更新ありがとうございます...！続きとても楽しみにしてました。いよいよ主人公が仲間の一部と接触してとてもハラハラする展開で、もう続きが気になります....！とても面白い作品を書いてくださりありがとうございます。これからも末永く応援しております。 (2021年5月9日 14時) (
レス) id: 5ca24da818 (このIDを非表示/違反報告)
みたら士(プロフ) - FUJIさん» コメントありがとうございます……長い期間読んでいてくださったんですね、感謝しかありません。最近はかなり順調に更新できていますので、どうぞお楽しみください (2019年12月24日 19時) (レス) id: 88ea3ab685 (このIDを非表示/違反報告)
FUJI(プロフ) - 初めまして！最初からずっとコメントしたくて勇気が出なかったのですが、ﾊﾗﾊﾗの展開で毎日通知を開いてしまうほど好きです(土下座)これからも更新楽しみにしております！ (2019年12月16日 22時) (レス) id: eb5fc7d995 (このIDを非表示/違反報告)
みたら士(プロフ) - 茶葉さん» その長年と比べてまで褒めてくださり……ありがとうございます！適度に待ち時間というわくわくを提供しつつ、更新頑張ります…… (2019年12月16日 20時) (レス) id: 88ea3ab685 (このIDを非表示/違反報告)
みたら士(プロフ) - 歌い手総推し！&外資系と書記長寄りの箱推し！さん» 明日と言わず、明後日明々後日も頑張っちゃってください( 'ω' )/ (2019年12月16日 20時) (レス) id: 88ea3ab685 (このIDを非表示/違反報告)
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