二百九十五通目 ページ46
もうそろそろ、先生が帰ってくる
お客さんも一緒だと言っていたな
一体どんな人が来るのだろうか、くられ先生は【私の頑張り】を見てなんて言ってくれるのだろうか
わくわくどきどきして早鐘を打つ心臓を抑えながら、Aはリビングの椅子に座って、その帰宅を今か今かと待っていた
そうして数分が立った頃
家の外が、騒がしくなる
ガタガタという音──馬車を引く、馬の蹄の音だろうか
車輪が石を潰すような、少し嫌な音も聞こえてきた
それを追随して耳に入ったのは、人の話し声
──くられ先生だ！
「ッおかえりなさい、くられ先生！」
おもわずAは、家の扉を開け放っていた
その奥に待っていたのは、急に開いた扉に驚愕したような顔をした、狐面のくられ先生
そしてその後ろに居たのは、知らない男の人
紫のストールと、それと同じぐらいの紫の瞳
茶髪で、何処か煙草のような香りがする人
「あ、はじめまして」
「嗚呼、はじめまして。くられ先生が言ってた、お弟子さん？」
「はい。ヴィ……ルへ……ルミナです」
思わず口から出てきてしまいかけた【ヴィジィール】の姓と【ヴィルヘルム】の名
危ないところだった
「ヴィルヘルミナな。よろしく」
「はい……えっと、お名前は？」
握手を求めるように手を差し出した男の手を握りながらも、Aは疑問を述べる
「嗚呼えっとね、こちらは──」
「ドミトリー。ドミトリー・アレクセイ」
くられ先生の紹介を遮るように、食い気味で答えた男──ドミトリー
「ドミトリーさん……ですね。西の方の方ですか？」
「んまぁ、そんな感じやな」
名前のイントネーション、響きが、どことなく西の国の人間と似ている
──言葉の訛りは、どちらかといえば極東のほうだけれども
「あらためて、よろしくな」
「はい、よろしくお願いします」
再びふたりは、握手を交わす
その様子をくられ先生は、良いものを見たように頷いていた
笑みはどこか、苦笑いのように見えたけれども
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bh(プロフ) - 更新ありがとうございます...！続きとても楽しみにしてました。いよいよ主人公が仲間の一部と接触してとてもハラハラする展開で、もう続きが気になります....！とても面白い作品を書いてくださりありがとうございます。これからも末永く応援しております。 (2021年5月9日 14時) (
レス) id: 5ca24da818 (このIDを非表示/違反報告)
みたら士(プロフ) - FUJIさん» コメントありがとうございます……長い期間読んでいてくださったんですね、感謝しかありません。最近はかなり順調に更新できていますので、どうぞお楽しみください (2019年12月24日 19時) (レス) id: 88ea3ab685 (このIDを非表示/違反報告)
FUJI(プロフ) - 初めまして！最初からずっとコメントしたくて勇気が出なかったのですが、ﾊﾗﾊﾗの展開で毎日通知を開いてしまうほど好きです(土下座)これからも更新楽しみにしております！ (2019年12月16日 22時) (レス) id: eb5fc7d995 (このIDを非表示/違反報告)
みたら士(プロフ) - 茶葉さん» その長年と比べてまで褒めてくださり……ありがとうございます！適度に待ち時間というわくわくを提供しつつ、更新頑張ります…… (2019年12月16日 20時) (レス) id: 88ea3ab685 (このIDを非表示/違反報告)
みたら士(プロフ) - 歌い手総推し！&外資系と書記長寄りの箱推し！さん» 明日と言わず、明後日明々後日も頑張っちゃってください( 'ω' )/ (2019年12月16日 20時) (レス) id: 88ea3ab685 (このIDを非表示/違反報告)
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