九層 ページ10
「あぁぁぁぁぁ終わんない！」
室内照明のほとんどが消された仕事場
ついているのは、私の上部にある蛍光灯が一つだけ
思っていたとおりに残業をすることになった私
今朝整えた髪を乱しながら、必死の形相でタイピングを続ける
確認しろと言われた書類の誤記が激しい
この仕事をした輩には脳味噌が詰まっていないのではと思うほどのそれは、私の苦悩の種とたるには充分すぎた
化粧で隠していた隈がまた濃くなってしまいそうだ
厚化粧が加速する
将来の肌荒れが心配だ、入浴時の洗顔をしっかり行わなくては
なんて先のことを考えながら、指はまだ動き続けていた
そして、それからまた三十分程が過ぎた頃
「ぁぁぁぁぁぁぁ終わっだァァァァァッ！」
絶叫にも似た声が、無人の職場に響く
「おつかれさまです」
無人の職場に
無人の……
無人？
「なんでいんのっ？！」
私の前の席──定位置に座って寛いでいるショッピ君を視界に捉え、私は椅子を蹴倒す勢いで驚愕した
三十分前に周りを見たときには、確かにいなかったのに
いや、どうだろうか
もしかしたらいたのだろうか？
そんなことはどうでもよかった
仕事を終えているはずの彼が、なぜ退社時間から二時間も三時間も過ぎたこの午後十時に残っているのかが、重要な問題だ
「何でって……先輩をちゃんとお家に連れて行かないとじゃないですか。もうすっかり日も暮れてますし、午後五時のチャイムだってとっくに鳴り止みましたよ？」
「私は小学生じゃないから！！」
「あー大人の真似ってしたくなるっすよね」
「真似じゃなくて！」
仕事疲れを促進されるやりとり
突っ込むのも面倒くさくなって、私は職務机に伏せてため息を吐いた
本当に、ただただ疲れている
我が家のふかふかな布団が恋しい
「ほら、起きて」
唸っていた私の肩を叩く、いつのまにか背後を取っていた後輩
気怠げに視線を投げれば、いつもと変わらない、私よりも気怠そうな笑みで
「俺車ですし、送りますって。家まで」
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檸檬 - いい具合で狂ってますね！途中で止まっているのが少し残念だけど…。ここのショッピくんどストライクです。ありがとうございます。これからも応援しています！ (2021年5月23日 10時) (
レス) id: 1448aeacc9 (このIDを非表示/違反報告)
あゆみ - ごちそうさまです。。。もうまじ好き (2020年12月19日 21時) (レス) id: 632d6e91bd (このIDを非表示/違反報告)
ふりー - しょっぴくん好きだから普通にごちそうさまです (2019年8月29日 5時) (レス) id: 359e27e111 (このIDを非表示/違反報告)
ルウ(プロフ) - このロリなんちゃらに言って上げてください……「いい精神科、教えてあげますよ」と……………これからも頑張ってください！ (2019年8月7日 3時) (レス) id: 0de8f1fb11 (このIDを非表示/違反報告)
*空月白/白猫* - いやーもうどこの畳屋でしょうか…たしかロリなんちゃらって言うんでしたっけねぇ…もう分かりませんよ。あっはっは。頑張ってください！ (2019年8月1日 15時) (レス) id: 3c38dcb0f2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みたら士
| 作成日時：2019年7月30日 18時
