百九十三通目 ページ44
これは、この様は
「強い……どころじゃないでしょう」
絶句した表情でAはつぶやく
【我々の矛】等と大層な号を付けられるのは、ただの持て囃しではなかったようだった
いや、それは承知の上だったのだが
想像を超えるほどの技量と、基礎運動能力
常人を逸したソレは、稀代の才能という言葉では収まりきるものではなかった
一人で一個師団すら壊滅させるであろう、その実力
──現在は殺さないように戦っているようだが、もしも殺しに特化したらどうなってしまうのか
悪いように使えば一国すら壊しかねない力に、Aは身震いした
「これでええ？秘書官サマ」
いつのまにか眼前に、シャオロンの姿があった
唖然呆然としていたAは驚きで身じろぎながらも、一つ咳払いをこぼす
「えぇ……ありがとうございます、シャオちゃ──シャオロン」
「んー、上におんのどする？ここってどうやって上いくん」
「一度内部に入らなくては……」
フロア壁に設置された扉を通って、廊下を進み階段を登る
そうすると、ニ階席の最後尾の裏に出ることができるのだ
「めんどいなぁそれ」
降りてきてくれればなぁ、なんていいながら、シャオロンはニ階席の敵を睨んだ
ヒッと声を漏らしながら、身をすぼめるその姿
シャオロンの戦闘する姿に、しっかり気圧されてしまったようで
その目はすっかり怯えに染まっていた
──あの状態では何をしでかすかわからない
Aは銃を拾うと、痛めた腕を代償に引き金を引こうとする
──しかし、その行動を止めるほどの轟音が、広い講堂に響いた
それは、シャッターが解錠される音で
順々に上がっている黒い壁
二階席扉が、開け放たれた
「はぇ〜〜〜、こんなんで我々に勝てる思ってるんですかねぇ〜大した考えや」
そこから姿を表したのは
──小柄な和服の男、ロボロだった
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檸檬 - めちゃくちゃ面白いじゃないですか。返してください、私の腹筋（）。番外編で夜中なのに「ゲルテェェェェェェェ！（感涙）」って叫んじゃいました。 (2021年5月23日 1時) (
レス) id: 1448aeacc9 (このIDを非表示/違反報告)
bh(プロフ) - 最近更新が多くて嬉しいです。ありがとうございます。これからも応援しております。 (2019年10月14日 1時) (レス) id: c595f3c6d5 (このIDを非表示/違反報告)
ホタテおいしぃ - 熱い展開になってきましたね！ (2019年10月5日 11時) (レス) id: 4b45e1db41 (このIDを非表示/違反報告)
nia(プロフ) - 更新待ってました！！！ (2019年9月29日 21時) (レス) id: dcff59daa3 (このIDを非表示/違反報告)
るるりぃ - ココラさんと同じく何故か胸が苦しくて・・医務室から逃げる場面から涙が出ました。更新頑張ってくださいね！みたら士さん！ (2019年8月28日 23時) (レス) id: 4b45e1db41 (このIDを非表示/違反報告)
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