百八十六通目 ページ37
「なんなんだよこれっなんなんだよ？！」
「だしてよ！！」
「ちょっ、押すなよ痛えだろ！」
阿鼻叫喚の地獄絵図
混乱の渦に突き落とされた生徒達は、シャッターが閉ざされているにもかかわらず、我先にと出口へ押し合う
貴族や権力者、実力があるものが殿を務めるはずなのに、弱いものを押し出して出口前でぎゅうづめになっていた
酷く──酷く醜い様子
足をひねったのか、人混みの中でしゃがみ込む女子生徒を見た
──その痛めた足を踏みにじって駆ける、実力派の姿も
Aは確かに焦っている
しかしそれ以上に、混乱により覗く人々の恥と悪に不愉快でしかなかった
とりあえず今は皆を落ち着かせて、犯人探しを──
いやこの状況でそう簡単に行くはずがない
どうにかしてあぶり出しを──
バンッ
再びの発砲音
騒いでいた人々は、一瞬にして静まり返る
発音点に目を向けたAは
「るせぇんだよ。全員、席につけ。はやく」
朝礼に立っていた校長の首に腕を回し、その脳天に拳銃を突きつける男の姿を捉えた
よれた作業着をきた、若いその男
Aもよく、校舎の中で目にしていた事務員だ
──生徒の中に紛れているのではなかったのか
まさかの相違点に、Aは目を見開く
周囲の生徒も、状況がわからずに立ち尽くしていた
見知った顔が、知り合いに銃口を向けているのだ
驚かないわけがない
「なんなんだよおまえ！！」
「いやぁぁぁ死にたくない！」
場違いな、批判の声と悲鳴が上がる
しかし、テロリストというものはそうそう優しくは済まなかった
「ぎゃあぎゃあ喚くんじゃねぇっっ！さっさと、しろ！全員殺すぞっ！」
再び静まり返る中で、Aは呆れていた
そんなことを言えば、相手の逆鱗に触れるのは当たり前だろうに
少しは頭を使うことができないのか
国一の高校のくせに、馬鹿馬鹿しい
──やけに冷静な思考だった
しかしそれは同時に、状況に瞬時に適することができるということ
他の生徒にまぎれて俯きながら、Aは自席へと戻って座った
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檸檬 - めちゃくちゃ面白いじゃないですか。返してください、私の腹筋（）。番外編で夜中なのに「ゲルテェェェェェェェ！（感涙）」って叫んじゃいました。 (2021年5月23日 1時) (
レス) id: 1448aeacc9 (このIDを非表示/違反報告)
bh(プロフ) - 最近更新が多くて嬉しいです。ありがとうございます。これからも応援しております。 (2019年10月14日 1時) (レス) id: c595f3c6d5 (このIDを非表示/違反報告)
ホタテおいしぃ - 熱い展開になってきましたね！ (2019年10月5日 11時) (レス) id: 4b45e1db41 (このIDを非表示/違反報告)
nia(プロフ) - 更新待ってました！！！ (2019年9月29日 21時) (レス) id: dcff59daa3 (このIDを非表示/違反報告)
るるりぃ - ココラさんと同じく何故か胸が苦しくて・・医務室から逃げる場面から涙が出ました。更新頑張ってくださいね！みたら士さん！ (2019年8月28日 23時) (レス) id: 4b45e1db41 (このIDを非表示/違反報告)
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