百七十三通目 ページ24
「すまん見逃したァ〜」
「はぇぇ？！シャオロンさんガバガバ過ぎるんじゃないんですかねぇ？！」
「ぇぇぇ許してやトントン〜！」
ふざけた嘘泣きと共にトントンに謝る、オーバーオール姿の男シャオロンと
「そっち、まだ見つかっとらん？」
笑みを蓄えた、オスマンの姿
主戦力が一同に介したその様を見て、Aは荒れた息を思わず飲み込む
一番安全だと思っていた場所が、一番危ない場所に変わってしまった
「全然見つからんわ」
「そっか〜……らんらんはとりあえず、温室篭って待機しとるわ」
「そか……んじゃあ余った面々はここらへんで待機しときますか」
「りょーかい〜」
トントンの合図と共に、幹部たちは分散するように移動を始めた
エーミールとシャオロンは、図書館の中へ
オスマンとトントンは、城門の方へと足を向けた
──Aには、場内へもどる以外の選択肢がなくなってしまった
その事実に気がついて、Aは絶望
──しなかった
「……お城……行くか」
とぼとぼとした足取りで、走ることなく、Aは進んだ
──流血による熱感と途方もない疲労に、Aの思考力はだんだんと衰えていた
だから──だから、トントンやオスマンの姿が消えておらず、なおかつ視線を向けられているままに、移動を開始してしまった
ポタポタと垂れる血は止まらず、点々と彼女が歩いた道筋を示す
だんだんと、体温が低くなっているのに対して熱を持つそこ
浅いが幅広い傷は、彼女の闘争心をなくすには十分だった
荒削りされた技術力では到底叶わないと気がついて
しかし、左手は未だ止血をしようと、患部をしっかりと掴んでいる
それはまさに
「【私は、死ぬわけには行かない】」
彼女のそんな意思を、明確に表すさまだった
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檸檬 - めちゃくちゃ面白いじゃないですか。返してください、私の腹筋（）。番外編で夜中なのに「ゲルテェェェェェェェ！（感涙）」って叫んじゃいました。 (2021年5月23日 1時) (
レス) id: 1448aeacc9 (このIDを非表示/違反報告)
bh(プロフ) - 最近更新が多くて嬉しいです。ありがとうございます。これからも応援しております。 (2019年10月14日 1時) (レス) id: c595f3c6d5 (このIDを非表示/違反報告)
ホタテおいしぃ - 熱い展開になってきましたね！ (2019年10月5日 11時) (レス) id: 4b45e1db41 (このIDを非表示/違反報告)
nia(プロフ) - 更新待ってました！！！ (2019年9月29日 21時) (レス) id: dcff59daa3 (このIDを非表示/違反報告)
るるりぃ - ココラさんと同じく何故か胸が苦しくて・・医務室から逃げる場面から涙が出ました。更新頑張ってくださいね！みたら士さん！ (2019年8月28日 23時) (レス) id: 4b45e1db41 (このIDを非表示/違反報告)
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