166話「これが最後」 ページ31
2人は最後に笑って俺の頭を撫でて行ってしまった。
「転弧……。」
これが最後。彼らは俺の父さんを殺そうと、この社会を壊そうと、躍起になっている敵。
転弧をこちらに引きずり込みたかった。
敵じゃなくて、兄として側にいて欲しかった。
それがもう二度と叶わぬ事となってしまったとい実感がじわじわと心を支配する。
目の奥がじわりと熱くなる。
ああこれはきっと、泣きそうになっているんだ。
そう気付いた時にはも涙は零れていた。
ぼろぼろと、音もなく溢れて止まらない。
流石にこんなに泣きながら帰路につく訳にもいかないので、この公園で少し休もう。
せめて泣き止むまで。
そう思っていたのに、1本の電話が掛かってきた。
画面を見ると、
「勝己………？」
無視は出来ぬ相手だったから、あまり泣いてんのバレないように呼びかけてみる。
が、勝己の声は焦っていてそれどころじゃないみたいな、そんな感じだった。
『てめぇ今どこだ！！！』
「え？……あー、新しく出来てたパン屋の近くの公園」
『公園の名前を言えや！！！！』
勝己は食い気味に叫ぶ。
何をそんなに焦っているんだろうか。
勝己のその声に、驚いてなのか知らねぇけど涙は引っ込んだ。
まぁ良かったといえば良かった。
電話の奥の音を聞いていると、どうやら勝己は走っている様で、息も切れている。
本当にどうした？何があったんだ？？
「えっと、何だ、○✕公園…？」
『ッチ、んでそんなとこに…。絶対そこから動くんじゃねぇぞ！！！』
「待って何で、おい！！」
……切られた！！！
何も話さずに切りやがった…！！！！
とりあえず勝己が来るまでここにいりゃあいいのか。
もう一度ベンチに座り直し、一息つく。
……訳にもいかないみたいだった。
後ろで爆発音と悲鳴の声が聞こえた。
ビックリして思わず振り返る。
木々のせいで良く分からねぇが、煙が立ってるのは分かる。
おいおい…何事なんだよ。
行ってみようか、と腰を上げるも、そう言えば勝己はここから絶対動くなって言葉を思い出す。
…でも、もし困ってる人がいんのにここでじっとしてんのもあれだな。
いや、勝己がここにいろって言ったって事は何かあんだろ、待つべきか。
立っては座って、公園を出ては戻ってを繰り返している。
ああもうこれも全部勝己がちゃんと言わねぇから！！
自分は何をしているんだと、心細くなってきた！！
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ルーナ(プロフ) - とても面白いです！男主で愛されで病弱が大好きです！続きが気になります！更新待ってます！頑張ってください！！応援してます！！！！ (11月5日 0時) (
レス) id: 02f6ea63a3 (このIDを非表示/違反報告)
えるるるる(プロフ) - 待ってます。 (2022年4月25日 19時) (レス) id: 80c508f955 (このIDを非表示/違反報告)
白玖 - めっちゃ好きです‼︎（唐突）読んでいて癒されるしドキドキするし本当に最高〜！更新大変だと思いますが無理しない程度に頑張って下さい。待ってます (2022年4月10日 22時) (レス) @page37 id: 6cc222fbc4 (このIDを非表示/違反報告)
金木犀 - すっごい面白かったです。続き、気長に待ってます！ (2022年1月17日 2時) (レス) @page37 id: b5d4ecbe80 (このIDを非表示/違反報告)
おいら(プロフ) - 凄い好きです！！何時までもずっと待ってます!!! (2020年10月30日 13時) (レス) id: e31082eaf1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：楸 | 作成日時：2019年3月26日 4時
