164話「みっともない」 ページ29
「自信満々に、俺は信頼されてるっていう死柄木が羨ましくて。だから俺も、欲しいって思っただけだ。」
と、荼毘は腹部に手を回し、俺にくっついてくる。
いやいや意味わかんねぇよ。
ベストオブ意味わかんねぇよ。
「…は？別にAじゃなくたっていいだろ。つか離れろ。」
うーーーんごもっともなんだけど、弔も俺にくっついてんだよなぁ。
え、ブーメランでは？？
いい大人に両サイドから抱きつかれたって何も嬉しくない。
父さんならめちゃくちゃ嬉しい。
いや、弔はちょっと嬉しい。
安心する。
「二人とも、ちょっと離れませんか。」
「ほら、荼毘離れろ。」
「二人ともって言われてるぞ。死柄木もだ。」
こればっかりは荼毘がド正論なんだけど、どのみち二人とも離れねぇんなら関係ないな。
ああもう子供の喧嘩じゃねぇんだから…。
まぁ俺も緑谷と父さん取り合ってるようなもんか。
しかも俺だけ必死で。
父さんは完全に緑谷を見てるのに、俺は諦め悪くまだ父さんの袖を引いている。
みっともないな…。
「あ〜〜〜もう！！！」
「っえ、何。」
情けない、みっともない。
いやだ。こんな自分が嫌だ。
なんで今気付かされるんだよ。なんで荼毘に、弔に気付かされるんだ。
気付かされてんのか、偶然なのかは分からねぇけど。
「俺だって、」
「………可哀想だな。お前はそんなにオールマイトを思っているのに、オールマイトは見ちゃくれないんだろ。俺がずっと見ててやるよ。俺と来い。」
「何兄の目の前で堂々と勧誘してるんだ。やめろ、おいA聞く耳持つなよ。」
弔が俺を抱きしめる力を強くする。
聞く耳を持ちたい訳じゃない。けど分かった様な口を聞くなと怒るに怒れない。
図星だからに違いない。
「A、それなら俺が側にいる。もう目を離さない側を離れない。約束するから。」
「……っ」
少しだけ歓喜余りそうなる。
敵の言葉に惑わされるなとは思う、けど彼は兄で、それで、
あーーー、待て待て勝己の言葉を思い出せーー！！！
そう！！俺がそばで支えたいのは、他でもない父さんただ1人！！
勿論弔も、好きだけど！！！
「何を悩むことがあるんだ。……あの時、お前がそばにいたいのはオールマイトって言ったな。でもオールマイトはAを見てないんだろ。なんでお前がそこまで執着する必要がある？」
何も、言えなかった。
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ルーナ(プロフ) - とても面白いです！男主で愛されで病弱が大好きです！続きが気になります！更新待ってます！頑張ってください！！応援してます！！！！ (11月5日 0時) (
レス) id: 02f6ea63a3 (このIDを非表示/違反報告)
えるるるる(プロフ) - 待ってます。 (2022年4月25日 19時) (レス) id: 80c508f955 (このIDを非表示/違反報告)
白玖 - めっちゃ好きです‼︎（唐突）読んでいて癒されるしドキドキするし本当に最高〜！更新大変だと思いますが無理しない程度に頑張って下さい。待ってます (2022年4月10日 22時) (レス) @page37 id: 6cc222fbc4 (このIDを非表示/違反報告)
金木犀 - すっごい面白かったです。続き、気長に待ってます！ (2022年1月17日 2時) (レス) @page37 id: b5d4ecbe80 (このIDを非表示/違反報告)
おいら(プロフ) - 凄い好きです！！何時までもずっと待ってます!!! (2020年10月30日 13時) (レス) id: e31082eaf1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：楸 | 作成日時：2019年3月26日 4時
