183話「咄嗟に」 ページ3
「あっ、安室、さん」
未だ泣きやめる事の出来ない俺は袖で涙を必死にむ拭う。
「あ、バカ目ぇ赤くなるぞ」
素早く快斗が止めに入るが、だって知り合いに泣き顔とか見られたくねぇじゃん…。
「何でここに…」
いるんですか、と言う質問は遮られ。
「…A君、泣いてますよね？またですか？もしかしてまた快斗君が」
「わーーーー違うんです。俺じゃなくて、その、さっき色々あって、」
どうやら安室さんは俺が泣いてる理由が快斗にあるって誤解してるみたいだ。
「あ、違うんですよ。快斗じゃなくて俺が勝手にてゆーかその、」
俺も快斗の誤解を解こうと努める。
じとーっと快斗を見た後、ニコッと笑って、
「ならいいです」
と言った。…え、なに、安室さんは俺のセコムなの？？
嘘です、心配してくれたんですよね、ありがとうございます。
「それにしても凄い、目赤いですよ？余っ程にことがあったんですね…」
心配そうな顔をして、安室さんが手を上げる。
だから、
ビクッと体が過剰に反応する。
ギュッと目を瞑ってしまった。
「あ、いや、その、違くて、」
安室さんの事だ。撫でようとしてくれたのだろうが、
そんな訳無いのに、
咄嗟に、"殴られる"と
思ってしまった。
傷付けたかもしれない。
「や、その、ごめんなさい…。」
悲しそうに引っ込めたその手を、俺は眺める事しか出来なかった。
「……ほんとに大丈夫か？」
「あー、うん。大丈夫だよ、多分」
余りの気まづさに、逃げ出してしまいたかったが、それはちょっと人として許されないだろ…
「さっき色々あってA、混乱してるんです、それじゃ。」
快斗が一言フォローしてくれた。
忍びない気持ちでその場を去る。
「帰ったらちゃんと話、聞かせろよ。」
そう言って俺の頭をくしゃくしゃとする。
「………分かってるよ。」
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沢 - めっちゃすごいです―ーーー、一気読みしてしまいました！これからのお話も頑張ってください！！応援してます。 (2021年1月5日 11時) (
レス) id: 9cb9dbbd4b (このIDを非表示/違反報告)
美術部 - ヤバイ、一気に読んじゃいました・・・もっと早くにこの作品に出合いたかったけど、読めて最高に嬉しいです！この小説を書いてくれた作者様、本当にありがとうございました！ (2020年8月15日 18時) (レス) id: dfab0f562e (このIDを非表示/違反報告)
とく - 最後まで読ませて頂きました。ひたすらに最高でした。リアルタイム(?)では見れませんでしたけど、この小説見つけられてよかったです！ありがとうございました。 (2020年5月1日 14時) (レス) id: 7ea0d5ffd3 (このIDを非表示/違反報告)
名無しの匿名 - オメガバース…知ってたんですね……めっっちゃ気が合いそう！！(小並感) シリーズ1から読ませていただいてます！素晴らしい語彙力だと思います。その語彙力10分の9ください() (2019年5月26日 19時) (レス) id: 16bc441f1e (このIDを非表示/違反報告)
楸(プロフ) - 吸血鬼LOVE♪さん» いざ文字に起こされると恥ずかしいですね…笑笑 でもわざわざコメントありがとうございます！！！自分でも「え、ここでちゅーしていいの？」と自問自答しました笑笑 (2018年10月16日 22時) (レス) id: 8b1dfa966a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：楸 | 作成日時：2018年6月23日 1時
