愛はここにある -changmin- (ページ16)

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エレベーターページ16

私の働くホテルはそれなりに高くて最上階からの眺めは綺麗だった
昼は暑くなる程の陽射しが差し込んで
夜はうっとりするぐらい綺麗な夜景が広がってる

私の1番のお気に入りの場所
夜景見ながら大好きな旦那様と披露宴なんて出来たら世界一の幸せ者だと思うだろう
なーんて彼氏すら居ない私の淋しい夢

そんな最上階に行くために彼と機材と運んでエレベーターに乗った時だった
ゆっくりと最上階目指し点滅するエレベーターが大きな音を立て止まった

CM「マジですか」

「うそー！！どうしよう・・・」

CM「助け呼びましょう」

まだ昼間で清掃のおばちゃんも忙しく動いてる時間
最上階まで上がれる従業員エレベーターは２台しかない
申し訳なさと宴会の事で頭がパニックで冷静では居れなかった

CM「Aさんっ！落ち着いて！！」

「でもッ・・・みんなッ」

CM「今は他の従業員より僕たちの安全の方が優先です。助けを頼んだので大丈夫です。安心して下さい」

何て情けないんだろう
年上の私が年下の彼に怒られてる
宴会場のバックヤードは水道も製氷機もない
だから水もお湯も氷も下のバックヤードから運んでる
１日２日閉じ込められても水もお湯もある状態なら生き延びれるだろうって馬鹿な事しか頭に浮かばない

CM「Aさん・・・エレベーターは絶対下まで落下しないから大丈夫です」

「はぁ？」

CM「ほら、空気あるから。下には衝突しないんですよ」

「私・・・死にたくないんですけど」

CM「だから大丈夫ですって」

終いには電気も消えて真っ暗な空間
何故か手が震えて分からない不安が襲って来た
でもそんな状況を見て彼は動いた

CM「大丈夫ですから・・・」

不意に私は彼の腕の中に包まれた
嫌いなのに。苦手なのに嫌じゃない自分が居る
背中を摩ってくれる大きくて温かい手
優しく何度も上から下まで行ったり来たり
心地良い感覚だった