夢の中のエイン (ページ48)

今日:5 hit、昨日:4 hit、合計:66,937 hit

47.前日の夜ページ48

場の空気に流されそうだったけれど、先生にはちゃんと待ってもらって考えた末に韓国へ行く事にした。

ミンギュくんはスケジュールを終えて帰国したら、宣言通りに私の希望を聞いて色々な部屋を探してくれた。
凄い事に家賃も費用の範囲内でかなりの好条件の部屋を見つけてくれた。

そして、前に見た夢から1ヶ月ほど経っている。
今までで最長かもしれない。

何で？
現実の彼と関わっているから？

夢の彼と現実の彼が別物であるなら、辻褄が合わなくなるからだろうか。

現実の彼ももの凄く優しい。

お互いに忙しくて電話は出来ていないけど、文面から感じられる。

夢の中と同じ言葉遣いで、今まで連絡が取れなかった事を埋めるかのように毎日のようにメッセージのやり取りをする。

だけれど、一度も夢の話はしなかった。

夢の中で会話した事の答え合わせをするかのように、答えの知っている質問をする。

それに対してミンギュくんは答え、彼からも同じような質問を受ける。

お互いの反応はスマホの画面だけでは計り知れない。

私が見る“SEVENTEENとしての彼”は、夢の中よりも個性的でスパダリだし、感情を素直に表したり、落ち着きがなくて人懐っこい性格も可愛らしくカラットさんたちにワンコと言われるのも凄くわかる。

仕事に対する姿勢や意識は尊敬に値するほどに尊い。

私が知る“夢の中の彼”は色っぽい大人の雰囲気で落ち着いていて、テンションが上がると少年のようなキラキラした笑顔が素敵で包容力の塊で頭の回転も早い。

…よく考えるとどれもこれも現実と一緒か。
と、コンテンツや撮影風景などを見ていると感じた。

私が見ていたのはたった一部分で、やっぱりあの夢を見るのは私だけなのかなと思う。

寂しいような、私だけのミンギュくんが居るようで嬉しいような。

…いや、やっぱこれ単なる妄想力豊かな人じゃないかな？

最後に見た夢の中での彼との距離が近付いた気がしたのも妄想？

わからない…

現実の彼とのやりとりは、本当に11年振りに再会した友人のそれで。

夢の中の彼に抱く恋慕の感情と、

現実の彼に抱く憧憬の感情の間で揺れる。

聞けばいいのに、

やっぱり怖くて聞けない自分が情けない。

明日の夜から私が過ごす場所は、韓国。

旅行とは違い、生活をする為の渡韓。
産休代理だから1〜2年くらいかな？

「まずは仕事や生活に慣れる事から考えよう…」

そう呟いて、私は布団の中へ沈んでいった。