39.真っ直ぐなやつ ページ40
呼ばれて腰掛けたは良いけれど、リョウタさんは俺の顔をじっと見て動かない。
MG「あの、メイク直しは…？」
RT「はい、しますよ」
MG《顔は笑顔なのに何かちょっと棘があるような？
もしかして、さっきので警戒されてる…？》
無理もない。
いきなり同僚に抱きついて、尚且つ再び近付こうとしたんだから。
俺の前にクプスヒョンとは楽しそうに話してたのに、俺には笑顔のままメイクについては話すけど雑談は一切ない。
MG《どうしよ…Aに話しかけようとしてまたガードされたら…》
そう思ったら一刻も早く誤解を解かなければ、スングァナの言うようにただの変態になってしまう。
RT「あの、ミンギュさん」
MG「はい！？何でしょう！？」
いきなり話しかけられたものだから、声が上ずってしまった。
RT「…聞きたい事あるんですけど」
MG「確か同い年だよね？タメ口でいいよ？」
RT「あー…わかった。それで聞きたい事なん…だけど」
MG「うん、何？」
RT「…Aと本当に知り合いなの？」
あー…何というか、たった一言なのに声色で気付いてしまった。
野性の勘ってやつ？
こんな時に発揮しなくて良いのに。
MG「うん。韓国で知り合って…」
RT「そっか… 前から知ってるのに何でいきなり抱きついたの？」
MG「あー…なかなか会えなかったから、つい…」
RT「初対面でしかも仕事中にいきなり何だけど…もしかしてあいつの事好きなの？」
MG「へ！？」
MG《直球過ぎない！？》
心の声が口から出そうになった。
でも、俺も気付いた事に確信が欲しいんだよね。
Aと再開して1時間も経ってないくせに図々しいかもしれないけど。
MG「ずっと昔から好きだよ？
…君もだよね？」
言い切った後でリョウタの顔を見ると、さっき俺がリョウタが恋人かと思った時と同じ顔をしてるような気がした。
RT「…この3年間、何の男っ気もなかったのにいきなり出てきたのが外国のアイドルとかあり得ない…」
RT「しかも、こんなすっぴんも変わらないような本物のイケメンで？ 大陸の奇跡とか言われてるらしい人もだし。
でも、今あいつの1番側にいるのは俺だから、」
MG《あぁ…すごい真っ直ぐ。俺、知り合ったばっかなのに。
…ライバルなのに…なんか好感持てちゃうじゃん》
RT「あいつの事は任せてさ」
MG《こんな知り合い方じゃなきゃ…》
RT「お願いだから、アイドルしててよ…」
MG《仲良くなれそうなのに…》
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作者名：chuka | 作成日時：2022年5月6日 12時
