幹部の各々 ページ9
「へぇ、記憶喪失のノラなぁ・・・怪しすぎるやん?」
十数名の男性達が集まる空間で、グルッペンさん、トントンさん、ゾムさんが一連の出来事を説明し終わると糸目の男がそう呟いた。
「オスマン、言い過ぎや」
トントンさんが私を擁護するが糸目の彼・・・オスマンさんの言うことは、もっともな意見だ。
化物が彷徨い、極端すぎる物資不足の中、私のような得体の知れない人間を引き入れるのに全員が「はいそうですか」と納得するはずがない。
だからある意味想定内の展開だ。
「オスマンもトントンも落ち着け。この少年の素性は確かに不明だが知識、判断力、戦闘能力は確実に組織の役に立つ」
買い被りすぎたよグルッペンさん。
私の知識は崩壊した世界じゃ意味をなさない。戦闘能力だって動きがのろい相手だからこそ戦えるんだから。
そう言おうとしたがオスマンさんという人物が先に喋りだした為言葉を喉の奥で噛み殺した。
「だったら余計に他組織からの間者説は否定出来んやろ?先週【生存組織】ルーネがネズミのせいで崩壊したやん」
なるほど。
【生存組織】間で潰し合いが起きているのか。
限られた物資を巡るなら必然的な展開か。
・・・ならば私は大人しく身を引いた方がいいだろう。
「いやホンマにゴチャゴチャうるさいわ。ネズミが出会い頭に攻撃してくるはずないし食料調達の情報なんか渡さんやろ」
意外にも、場を制したのはゾムさんだった。
私が渡したバックパックをテーブルの上に投げつける。その衝撃で中に詰めていた食料缶詰等がゴロゴロと飛び出した。
やはり、と言うべきだろうか。
幹部の各々は驚いたような反応だ。
「運搬トラックん中にはまだ物資があるそうや。この隔絶された島で生きていくんにそんな貴重な情報を渡すわけないやろ?」
「・・・それはそうかもしれんけど。それでも記憶喪失で目覚めて二〜三日生き残れましたは都合が良すぎるやろ」
相対する緑組。
私はどうすればいいんだろうか。
とりあえず生き残るのに最大限役に立った情報でも言うか?
『えっと・・・それは"CONPLAN8888-11"とデコイ作戦で乗り切ったんだけど。あ、デコイは防犯ブザー』
「「「「喋った」」」」
反応を示すところ、おかしいぞ。
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お星 - お久しぶりに見たらすごくなんかなんかねえっと発狂したうん! (2020年9月26日 14時) (レス) id: 7b09c37ff3 (このIDを非表示/違反報告)
夢花(仮垢) - 更新されてたからまた来ましたけど、超面白い……超好き( 超唐突 ) (2019年10月10日 21時) (レス) id: 1ce7d18474 (このIDを非表示/違反報告)
まんまる(プロフ) - すごく面白いです…。続きが気になります!応援してます!無理しない範囲で更新してくれると嬉しいです!楽しみに待ってます! (2019年7月28日 20時) (レス) id: 6af86988b7 (このIDを非表示/違反報告)
注射器(プロフ) - d!でこういう話は新しいですね…。文章も読みやすく、ストーリーも続きが気になるような素敵なもので凄いです……。 (2019年7月24日 18時) (レス) id: 91a8b31b94 (このIDを非表示/違反報告)
夢花(仮垢) - ふぁー!!!はよ続き読みたいです!!!チノたんも居るの嬉しいです!!!!!マンちゃんの事さらに好きになりました(( (2019年7月12日 2時) (レス) id: 1ce7d18474 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みー | 作成日時:2019年7月10日 0時