その頃 ページ29
─「おやすみ世界」とほぼ同時刻 ─
PM20:30頃
ショッピングモール屋上にはまだ【生存組織】wrwrdの幹部達が残っていた。
そこには軍曹やDr.クラレも加わっており、Aの寝室の案内へ出ていたトントンが戻ってきたことで幹部は全員揃った。
普段ならこの時間帯にやるべきことなどないし、明日の支援物資回収作戦の為に皆身体を休めるはずだった。
にも関わらず幹部が勢揃いというのは・・・
──言わずもがな、Aに関してである。
「さて、あまりにも唐突に、想定外のことが起きてしまったが──Aに関して、他の者の意見を聞きたい」
グルッペンの開口一番により、議題が決まる。
突如蔓延した致死率100%で、しかも感染後はディシビと化してしまう凶悪なウイルス。
化物に攻撃を受けると接触感染でディシビになってしまうが、健康で若い男性のみ、空気感染を免れることが出来た。
つまり最初の空気感染で女性は全てディシビになってしまった。
というのがハシラビト島に生き残った少年・青年達が導き出した答えだった。
それを簡単に覆す存在が現れたのだから緊急会議が開かれるのも当然のこと。
「生き残れたのが若い男だけというのは、仮説であり定説ではなかったからどうでもいいが・・・どちらにせよ宣言通りAはwrwrdに引き入れるという方針で問題ないだろう??」
「グルちゃんに俺は反対」
タバコをプカァとふかしながら反対の意を出したのは、意外にも、一番少女を受け入れると思われていた鬱だった。
あまりの意外さに皆声も出ない。
「は?何言ってんすか??まさかとは思いますけど追い出すなんて言うわけないですよね?」
「おぉっ、他人に興味無いショッピくんが即反応するん珍しいやん?Aちゃんに惚れた?」
低い声で唸るように言ったショッピに対し、鬱はヘラヘラした声音で煽る。
その様子に頭に血が上ったショッピは無言で席を立ち原因である男の胸ぐらを掴んだ。
「ちょちょちょ、ショッピくん落ち着け!!大先生も反対するにしてもちゃんと理由言えや!」
「保護自体は俺も賛成やで?けどAちゃん自身も自分で言うてたやん。確実に組織を壊す種になるって」
コネシマやシャオロンが何とか静止に入ったが鬱は特に気にする様子はなかった。
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お星 - お久しぶりに見たらすごくなんかなんかねえっと発狂したうん! (2020年9月26日 14時) (レス) id: 7b09c37ff3 (このIDを非表示/違反報告)
夢花(仮垢) - 更新されてたからまた来ましたけど、超面白い……超好き( 超唐突 ) (2019年10月10日 21時) (レス) id: 1ce7d18474 (このIDを非表示/違反報告)
まんまる(プロフ) - すごく面白いです…。続きが気になります!応援してます!無理しない範囲で更新してくれると嬉しいです!楽しみに待ってます! (2019年7月28日 20時) (レス) id: 6af86988b7 (このIDを非表示/違反報告)
注射器(プロフ) - d!でこういう話は新しいですね…。文章も読みやすく、ストーリーも続きが気になるような素敵なもので凄いです……。 (2019年7月24日 18時) (レス) id: 91a8b31b94 (このIDを非表示/違反報告)
夢花(仮垢) - ふぁー!!!はよ続き読みたいです!!!チノたんも居るの嬉しいです!!!!!マンちゃんの事さらに好きになりました(( (2019年7月12日 2時) (レス) id: 1ce7d18474 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みー | 作成日時:2019年7月10日 0時