よぎる影 No side ページ3
「ふぅ､今日の会談は一段と疲れたゾ」
「グルさんはただ相手煽っとっただけやろが」
「俺は楽しかったら何でもええけどな!!」
荒廃した街を何気ない顔で闊歩しているのは【生存組織】wrwrdのメンバーだ｡
淡い金髪を無造作にかき上げ､黒いタキシードを身に纏っているのは《盟主》グルッペン･フューラー｡
短い黒髪をきっちり整え､脹脛まであるミリタリージャケットの上から真っ赤なマフラーを巻いている《副盟主》トントン｡
明るく中途半端に伸びた茶髪を無造作に結び緑色のパーカーを着込んでいる《前線戦闘員》ゾム｡
三人は他の【生存組織】と定期会談の為､この荒廃した街を行き来していた｡
いつ何時化物──･･･ゾンビに襲われるか分からない状況で｡
《あぷねむねーねほわゆにめんかのりつごあ"おおけのわて!!》
ついにその時は訪れる｡
三人の周りには十数体のゾンビが湧き始めた｡
「ふむ､ディシビのお出ましだ｡早く片付けないとどんどん湧いてくるな」
「だから
「よっしゃ､殺戮の時間やー!」
それでもなお､余裕綽々といった感じでグルッペンは二丁のサブマシンガンを､トントンはスコティッシュクレイモアを､ゾムはボウイナイフをそれぞれ構えた｡
ゾンビ･･･通称"ディシビ"の動きを読みながら応戦しようとしたその時｡
数体のディシビの腐敗した身体が切り裂かれた｡
グルッペンの攻撃ではない｡
トントンでもゾムでもない｡
三人が呆気にとるれている間にもディシビはどんどん切り裂かれてゆく｡
『そこをぉ･･･どけえぇぇぇっっっ!!!!!』
何の迷いもなく三人へ走っていく小柄な人間｡
いや､この島にはもう健康な身体を持つ男しか生存していないのだから少年だろう｡
少年は自分の身長より高い刀を装備し一心不乱にディシビを切り裂いていく｡
「･･･生存者か!!?」
パニック状態になった少年を止めようとトントンがクレイモアで応戦する｡
「ゾム､残りのディシビを頼めるか?」
「おーヨユーヨユー!」
グルッペンの言葉にゾムは嬉しそうにディシビの群れへと突っ込んだ｡
そしてトントンは少年を傷つけないように攻撃を受け流し続ける｡
「さて､どうしたものか･･･」
前方ではトントンと少年の､後方ではディシビとゾムの激しい攻防が繰り広げられる中､グルッペンの落ち着いた低い声だけが響いた｡
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 717人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
お星 - お久しぶりに見たらすごくなんかなんかねえっと発狂したうん！ (2020年9月26日 14時) (
レス) id: 7b09c37ff3 (このIDを非表示/違反報告)
夢花(仮垢) - 更新されてたからまた来ましたけど、超面白い……超好き( 超唐突 ) (2019年10月10日 21時) (レス) id: 1ce7d18474 (このIDを非表示/違反報告)
まんまる(プロフ) - すごく面白いです…。続きが気になります！応援してます！無理しない範囲で更新してくれると嬉しいです！楽しみに待ってます！ (2019年7月28日 20時) (レス) id: 6af86988b7 (このIDを非表示/違反報告)
注射器(プロフ) - d！でこういう話は新しいですね…。文章も読みやすく、ストーリーも続きが気になるような素敵なもので凄いです……。 (2019年7月24日 18時) (レス) id: 91a8b31b94 (このIDを非表示/違反報告)
夢花(仮垢) - ふぁー！！！はよ続き読みたいです！！！チノたんも居るの嬉しいです！！！！！マンちゃんの事さらに好きになりました(( (2019年7月12日 2時) (レス) id: 1ce7d18474 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：みー
| 作成日時：2019年7月10日 0時
