【ﾀﾞ!】らっきーすけべがーる

下手な愛想笑い hi side ページ6

hi「いや､ほんとごめん色々と」

『ひとらんらんさんが謝らなくていいよ｡でも距離三メートルしか空いてないから最低5m保とう』

校舎を案内している西園Aという子｡
第一印象は"変わった子"だ｡

転校生だから俺達生徒会の事を知らないのは無理ないけど､グルッペンに事故とはいえ壁ドンキスされて心底嫌そうな顔するとは･･･

でも頑なに距離を開けようとする彼女を見て一つだけ思いついたことがある｡

hi「初対面で聞くのほんと失礼だと思うけど､聞いていい?」

『んー?』

hi「西園さんって･･･男性恐怖症､だったりする?」

『･･･マジで失礼なやつだな｡デリケートゾーンだぞ』

一瞬の間の後──声音が変わった｡

『ま､"恐怖"よりかは"嫌悪"の方が勝ってるよ｡男女限らずな｡この情報要る?』

含みのある言い方をした彼女の声は低くて､嫌悪､憎悪､怒りを混ぜて煮詰めたような表情になっている｡

hi「いや､本当に悪いことしたなって･･･」

『だから大丈夫だよ｡日常茶飯事で慣れてるし』

ふあぁっ､と欠伸をしながら興味なさげに言った西園さん｡様子からして本当に日常茶飯事の事なんだろう｡
だとしたら嫌悪症や人間不信に陥るのも無理はない｡

あまり関わらないようにする､と確約したいけどグルッペンのあの様子じゃ多分･･･

hi「あのさ､ちょっと悲しいお知らせというかなんと言うか｡生徒会長､グルッペンの事なんだけど」

『何それ聞きたくない･･･めっちゃ嫌な予感する』

ご名答

hi「あの人面白いものが好きっていうか､常識から逸脱した人間が好きっていうか･･･とにかくさっきので確実に目をつけられたと思うんだよね」

『だから絶対に絡んでくると?』

hi「120%」

『パーセンテージカンストしてんじゃん死にてぇ』

世界の終わりを迎えるかのような表情をしながらそう言った｡
グルッペンは今ごろ西園さんについて調べている頃だろうか､止める事が出来ないのが本当に申し訳ない｡

そんな話をしていると職員室へと到着してしまった｡

『結構近かったんだ｡ありがとう､ひとらんらんさん』

hi「ああ､うん」

分かりやすい愛想笑いを浮かべて西園さんは走り去って行った｡

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