ナゾナゾ ページ27
・
「晩飯、配給来たけどどうする？」
「俺、食欲無ぇから要らないわ」
「上鳴......じゃあ冷蔵庫に入れておくからチンして食べてね。」
「僕の分もおねがい」
みんな脳死で会話をしていた。
上鳴も緑谷も元気がない。励ましたいが、力が湧かない。
「え？はい、はい、そんなっ、はい」
緑谷が電話を取り、焦った様子で相槌を打っている。スマホを耳に当てながらテレビを付けた。
その様子が分かっていながらも、俺は上鳴の分の晩飯を冷蔵庫に入れた。
緑谷がテレビをつけた。
〈我々は抗い続ける。
選ばれし者が活躍する世界は終わったのです。選ばれなければ選ばれに行くのです、誰だって主人公になれる。そんな世界を創る。〉
テレビの中では、戦いの時にいたワンネス勢の人がいた。チャンネルはこのニュースチャンネルしかやっていないはずだ、このチャンネルがハッキングされたのか。
〈情報屋ワンネスをトップとして、我々は必ず明るい未来を創りあげる。
たった17歳の少年が、世界を変えるのだ。
彼の隣で、その未来を見ましょう！〉
両手を広げて熱弁をするワンネス勢の奴。心に残る、良い言葉だった。
これで雄英に避難している人たちの気が変わらなければいいんだけど。
「おい！Aが目覚めたって！」
『えっ...？』
この、タイミングで？
合わせているとしか考えられない。ではなぜ？なんで？
報告が耳に入ったものは、その場にいなかった者を呼び出し、各自Aが収容されている施設へ走った。
走りながらも俺の頭の中には、なぜ？ という疑問しか湧いてこなかった。
1年、1年も共に過ごしたんだ。合宿の時、布団が隣だった。移動教室の時、よく一緒に歩いた。放課後の特訓の時、アドバイスしてもらった。
1年だぞ1年。
俺は誰よりも注意深くAの言動を見ていたはずだ。分からないことはあったけど、多分俺ならAのこと理解出来るって思っていたんだ。
1年。俺は、Aの何を見ていたんだろう。
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 504人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
アマノ(プロフ) - .....さん» いつもありがとうございます!!よろしくお願いします！ (2022年11月27日 10時) (
レス) id: 764eda8f4f (このIDを非表示/違反報告)
アマノ(プロフ) - れさん» 本当にありがとうございます！これからも頑張ります！ (2022年11月27日 10時) (レス) id: 764eda8f4f (このIDを非表示/違反報告)
れ(プロフ) - 前に読んで大好きだった作品でずっとずっと探してて今日やっと見つけました、、、泣ここまで一気読みしちゃいました！！！！ほんとにだいすきです！！！！！主人公くんが幸せになりますように。応援してます！！！！ (2022年11月20日 3時) (レス) @page1 id: c4c8977258 (このIDを非表示/違反報告)
..... - またまた続編おめでとうございます！！！いつまでも応援しております！！！！ (2022年11月20日 0時) (レス) @page1 id: 4b3179590f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：アマノ | 作成日時：2022年11月19日 21時
