俺の話【ヒロアカ】 (ページ50)

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戯れることをせずに家に帰った。監視がないというのはいい気持ちだ。カーテンを開けられるし窓だって全開にできる。Aは入ってくる暖かい風を受けながらテレビをつけた。

コメディから漫才、ニュースにドッキリにアニメ。久しぶりにつけたテレビから流れてきた情報に多かったのはステインについてのニュースだった。

保須市でインゲニウムがやられたらしい。インゲニウム、飯田の兄だ。保須市では最初の犠牲者らしい。犠牲といっても死んでないが。

『ヒーロー殺し、ステイン。』

ふとその名を口にした。

ヴィラン連合が足し算をしているとしたら、ステインはこれ以上計算出来ない解の公式のようなもの。信念や感情が複雑に絡み合っているのだろう、そりゃ死柄木と対立するに決まっている。

心の中で納得し、コンビニへ行った。

「ありがとうございました！」

コンビニを出ると、何か異様な視線が気になった。

『あの、何か用ですか？』

「！なぜここにいるのが分かったんだ」

『俺こう見えてもそういうの鋭くてさ』

顔がよく見えない。声から男だと分かるが今までに会ったことはない人のようだった。

「！そうか。お前は、ワンネスだな。」

『！！よく、知ってるね、』

Aがワンネスということはヴィラン連合しか知り得ない情報。この男が知っているわけがない。

「ワンネスについての情報が公開された時に調べたんだ。」

『！！それだけで俺に辿り着いたって？』

「簡単に言えばそうだ。」

少し引き気味のAと、影で見えずらいその男。

『で、用は？』

「特にない、脅威になりそうだと思ったからだ。」

エンデヴァーに続いてこの男も用がないのに話しかけてきたのか。

『じゃあ口外しないでくださいね。』

「あぁ。分かっている。」

数週間後、Aはこの男を再び見ることになる。

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