俺の話【ヒロアカ】 (ページ30)

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轟の話ページ30

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「樋口、緑谷、いいか。」

爆豪をあやしていると轟に呼び止められた。

『どうしたの？』

笑って聞くと着いてこいと言われた。

並んで歩いていた緑谷も理解できていない様子だった。

「話って、何？」

「......気圧された。自分の誓約を破っちまう程によ。
最後、あの場面で俺だけが気圧された。」

気圧された、緑谷に何かを感じたということだ。

「お前に同様の何かを感じたってことだ。なァ...

オールマイトの隠し子か何かか？」

『ふっ』

Aは不本意に笑ってしまった。

「違うよそれはっ！って言っても本当にそれ、隠し子だったら違うって言うに決まっているから納得しないと思うけど」

『で？なんで緑谷なの？何を感じたの？』

A的にも緑谷は気にするべき存在。轟が何かを知っているのなら知りたい。

「...俺の親父はエンデヴァー、知ってるだろ。」

『初耳なんだけど。』

「あ、そうか。俺の親父はエンデヴァーだ。万年No.2のヒーローだ。お前がNo.1ヒーローの何かを持っているのなら俺は......尚更勝たなきゃいけねぇ。」

Aには意味が分からなかった。轟の口から出てくる話、その全てが理解出来ない話だった。

まず轟焦凍自体に得はない、力で劣るのなら力を蓄えて親父さんというやつを推し伏せればいいじゃないか。なぜ親父さんを否定しようとするのか。嫌ならば抜け出せばいいじゃないか。

自分とは違う世界線の考えをする轟に、Aは頭を抱えた。

「お前の左側が醜いと母は俺に煮え湯を浴びせた。」

ゾッとする話だ。Aの母は愛してくれていた、闇商売をしていた父ですら優しかった。

『で。俺の上を行くって？』

「あぁ。あん時、俺はお前と脳無ってやつの戦いをただ見ているだけだった。冷静に対処するお前の言うことを聞くしかできなかった。俺は、お前よりも劣っていた。

個性自身も判断力も機動力も戦闘力も。親父を否定するためにはここで1番になる必要がある。お前の個性がどれ程強くてもお前よりも＿＿」

『あのさ。』

轟の話を遮って発せられた声は背筋が凍るほど冷たい声だった。

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『さっきからうっせーんだよ。お前お前お前、否定否定否定個性個性個性

めんどくせーよ？』

初めて見たAの怒る姿に轟と緑谷は驚くしかなかった。

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