俺の話【ヒロアカ】 (ページ22)

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その日、放課後にAは即座に家に帰り電話をした。

〈誰だ〉

『俺だ。ワンネスだよ。』

〈は？殺したろ？警察だろ。逆探知は無駄だ。〉

『違う。そっちこそ商売仲間の俺の声を忘れるなんて、まるで記憶力が皆無の猿みたいだな。』

〈あ？〉

嘲笑うその声は明らかにワンネスのものだった。

驚くのと同時に、サラりと言われた暴言に死柄木は眉をひそめた。

『契約違反だ。』

〈そっちこそ嘘の情報を流したろ。オールマイトが初めからいなかった。おかげでこっちは脳無を失ったんだ。〉

『どちらにしろその脳無は負けていたろう』

〈だけど嘘だった。情報屋にとって信頼は命よりも大切なんじゃないの？〉

『はは。そうさ。家族の次に大切だ。』

〈で？何が言いたい。〉

今敵を増やすよりも優先すべきこと。

『このことは互いに水に流さないか？』

少しでも味方を増やす、それがAにとって何よりも重要だった。

〈＿＿＿＿は？〉

攻められるかやり返される、そう予想していた死柄木にとってこの提案は斜め上をいっていた。

『俺は殺しても無駄だ。俺がいい"駒"を紹介しよう。俺は義爛とも繋がっている。』

〈で？お前は何を貰えんだよ。お前にとって利益は大切なんだろ？金か？〉

『まぁ端的に言えばそうだ。

こっちは雄英の情報と人材。

そっちは俺の情報を守ってくれ。身バレしたらお前らにも不都合だろ？

それに今回、俺の情報バラしたのお前らだろ。』

〈！！お見通しかよ。キモ。〉

『俺のことを知ってるのはお前らくらいだからな。どう？いい話だろ？』

〈......あぁ。その話、乗ろう。〉

売りも媚びも全身全霊。得のためならば命の危険を問わずに崖から飛び降りれる。

きっと死柄木はAのことをそう思ってる。

〈じゃあな。潜入、死んでもバラすなよ。〉

『！あぁ。』

ガチャ

でも本当は

『＿＿＿＿＿＿＿流石に、死ぬのはなぁ』

売りも媚びも、生きるために全身全霊なんだ。

『晩御飯、作ろ。』

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