俺の話【ヒロアカ】 (ページ2)

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個性把握テストの話ページ2

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まだ薄暗い雄英高校のある教室の中、1人の男が机に突っ伏して寝ていた。

『あ"ぁ...ねっむ』

そう言った男、樋口Aの言葉は誰もいない教室へと溶けていった。

時刻は8時に移り変わり人の出入りが増えてくる。ザワザワし出し各々自己紹介をするも、誰も彼には話しかけない。

寝ている人を起こしてまで自分のことを語るのはどうだろうか、暗黙の了解のような空気の中彼は寝続けた。

「おい、起きろ。グラウンドに出ろ。」

静かな教室に声が響いた。

『ん、？？』

寝起きで頭が働かないまま顔を上げるとぶっきらぼうな顔をする担任がいた。Aは目を擦り立ち上がった。

「全く、、兄を見習ったらどうだ。」

苛立ちを顕にする担任の隣を何も言わずに通り抜けた。

急いで体育着に着替えてクラスメイトが待つグラウンドへと足を進めた。

『遅れてすんません、』

駆け足しながらそう言う。注目は勿論集まっている。それはそうだ、初日から寝ていて誰も話したことはない。暗黙の了解が残り近寄り難い雰囲気が漂っている。

「やっと来たか、まぁいい。

爆豪、中学の時のソフトボール投げ何mだった？」

1番後ろに立ち空を見上げた。鳩のような鳥が飛んでいる。太陽の眩しさに目がくらみ下を向き、そしてまた上を向くという行為を繰り返していた。

爆豪とかドクゴウとか言うやつが叫んだ時は地面のアリを見ていた。

「次、爆豪と樋口。」

計測器を持った相澤に言われて我に返る。

50メートル走、出席番号が前の爆豪という少年と並び合図を待つ。

ドンというロボットの無機質な合図で隣の爆豪が走り出す。

爆豪は派手な個性を使い4秒13という驚異的な数字をたたき出した。だがAは6秒前後という平均より少し高いくらいの記録を出した。

「テメェ！！本気出せや！さっきからアホ面しやがって！」

振り返り怒鳴ってくる爆豪に驚き、笑って言った。

『え？ははっ俺の個性じゃ足は速くならないよ。』

笑うAを見て多くの人が驚いた顔をした。

『えっ、笑っちゃダメ？』

唖然としていると、更に唖然としている人が口を開いた。

「いや、無口な人かと思ってた、」

意外そうな顔をする彼らを見てAは恥ずかしそうに笑った。

『ははっ、よく言われる。目付き悪いから仕方ないけどね。』

クラスがまた少し和らいだ瞬間だった。

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