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どう考えたって、
まともに踊れない状態だってことくらい分かる。
中途半端なパフォーマンスで、
みんなに余計な心配をかけちゃうことも分かる。
…でも。
『……これが、…さいごかもしれないから、』
いつこの命が尽きるかなんて、誰にも分からないでしょう?
だったら。
『…おねがい。……出させて。』
藁にもすがる思いで、目の前の主治医にそう告げた。
顔を顰めた彼が、ちいさく頷く。
仲野「おれ薬持ってくるから、その間Aの体冷やさないようにあっためてやって。すぐ戻る。」
そう言い残してこの場を去る仲野先生を見つめていると、
涼介がすぐそばに駆け寄ってきて抱きしめてくれた。
涼介「苦しくない?」
『うん、…ありがとう。』
ふたりの関係を怪しまれないよう、
周りにほかのメンバーが壁を作ってくれる。
まだ頭はふわふわしていて、呼吸も辛い。
目を閉じて、仲野先生の到着を待った。
涼介「あと何分?」
大貴「CMも入れてあと15分くらい。」
…あと15分で、どれだけ回復できるのか。
仲野「持ってきたよ薬!!水ある?」
涼介「あ、そこに俺の水あります。」
涼介が指を指したその先にある水を、
近くにいた薮ちゃんが取って渡してくれる。
震える手に自分の手を添えた涼介が、薬を飲ませてくれた。
涼介の体にぐったりと体重を預けて、
だんだんと温もりを取り戻してきた手を胸に添える。
…少しだけ痛みが走ったけど、今はもう平気。
おねがい。
あとすこしだけ、おとなしくしていてね。
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せな(プロフ) - まいさん» コメントありがとうございます!ご心配おかけしてしまいすみません…!!無事に完結できるよう頑張りますね〜!!温かいお言葉ありがとうございます!! (2022年3月4日 15時) (レス) id: b638a60bdd (このIDを非表示/違反報告)
まい - こんばんは!前回コメントさせていただいたものです。最近小説をちょこちょこ見に来てるのですが、更新されてないようで心配してます(焦)。是非最後まで、完結まで見届けたいと言う気持ちがあるので続き待ってます!!でも無理なさらず!お待ちしてます。 (2022年3月3日 23時) (レス) @page48 id: 8f49d2e699 (このIDを非表示/違反報告)
せな(プロフ) - 莉咲さん» コメントありがとうございます!!マイブームだなんて嬉しすぎます〜!温かいお言葉ありがとうございます。 (2021年12月25日 10時) (レス) id: b638a60bdd (このIDを非表示/違反報告)
莉咲(プロフ) - こんばんは、初めてコメントさせて頂きます。夜寝る前にこのお話を読むのが最近のマイブームになっています。次の更新も楽しみにしています。頑張ってください! (2021年12月23日 23時) (レス) @page36 id: 831d42e079 (このIDを非表示/違反報告)
せな(プロフ) - まいさん» コメントありがとうございます。読んで頂けて嬉しいです!温かいお言葉とても励みになります〜!ありがとうございます!! (2021年12月13日 11時) (レス) id: b638a60bdd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:せな | 作成日時:2021年11月21日 15時