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yb.




出番の10分前。






衣装もメイクもバッチリな状態で、待機場所へと移動する。








ふと視界に入ったAの足取りが、
ふらついているのに気づいた。


慧「…A?大丈夫?」








すぐ隣にいた伊野尾が、彼女の背中に手を当てながらそう尋ねる。





『ん、…ひんけつかな、』







とりあえず近くにあった椅子にAを座らせ、
薬の在処を聞き出した。


『でも、いま飲んでも間に合わないよ、』




困ったようにそう言うAの姿に、思わず唇を噛む。

明らかに青白い顔色と、かすかに震える小さな手。





この状態で出たら、
ステージ上で倒れることだって十分ありえる。





出番まであと10分を切っていた。







どうするべきかと迷いあぐねていたその時、
"あれっ、もう出ちゃいました?"という声が聞こえてくる。




その声の主が誰なのか、俺達にはすぐわかった。




涼介「…仲野先生!」







山田の声で俺たちの存在に気づいた彼はこちらに手を振る。


すぐに駆け寄ってきて、Aの状態に驚いた。







仲野「あららどうしたの。貧血?」









彼の問いかけに、うっすらと涙をうかべたAが頷く。








どうしたもんかなあと呟きながら、
仲野先生は衣装のブラウスのボタンを緩めた。



仲野「出番まであとどのくらいですか?」








雄也「5分くらいです。」






仲野「…きついな。」








怪訝そうな顔をした仲野先生のアウターを、
すっかり白くなったAの手がきゅっとにぎる。


『っ、…出たい。』








くりくりとしたその瞳から、大粒の涙が一粒だけこぼれ落ちた。


.

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せな(プロフ) - まいさん» コメントありがとうございます!ご心配おかけしてしまいすみません…!!無事に完結できるよう頑張りますね〜!!温かいお言葉ありがとうございます!! (2022年3月4日 15時) (レス) id: b638a60bdd (このIDを非表示/違反報告)
まい - こんばんは!前回コメントさせていただいたものです。最近小説をちょこちょこ見に来てるのですが、更新されてないようで心配してます(焦)。是非最後まで、完結まで見届けたいと言う気持ちがあるので続き待ってます!!でも無理なさらず!お待ちしてます。 (2022年3月3日 23時) (レス) @page48 id: 8f49d2e699 (このIDを非表示/違反報告)
せな(プロフ) - 莉咲さん» コメントありがとうございます!!マイブームだなんて嬉しすぎます〜!温かいお言葉ありがとうございます。 (2021年12月25日 10時) (レス) id: b638a60bdd (このIDを非表示/違反報告)
莉咲(プロフ) - こんばんは、初めてコメントさせて頂きます。夜寝る前にこのお話を読むのが最近のマイブームになっています。次の更新も楽しみにしています。頑張ってください! (2021年12月23日 23時) (レス) @page36 id: 831d42e079 (このIDを非表示/違反報告)
せな(プロフ) - まいさん» コメントありがとうございます。読んで頂けて嬉しいです!温かいお言葉とても励みになります〜!ありがとうございます!! (2021年12月13日 11時) (レス) id: b638a60bdd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:せな | 作成日時:2021年11月21日 15時

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