ぽーちゅらか

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鈴木「今日振り入れ早めに終わってAの病院行くから。」








休憩中、不意にかけられたその言葉。

侑李「Aに何かあったの？」

すかさず、侑李がそんな質問をした。








鈴木「病気のこと。みんなに話したいって。」






この日が来るのを待ちわびていたはずなのに、
いざ来てみると緊張で鼓動がはやくなる。



空気が一気にピリついて、裕翔がわかりやすくため息をついた。





めっちゃくちゃ不安だけど、でも。







Aの方が、もっともっと不安なはずだから。









涼介「…ちゃんと受け止めよう。……俺らで。」




真面目な表情で、涼介がそう言う。




現実をきちんと受け止めて、ちゃんと支えなきゃ。





だって俺たち10人は、家族みたいなものだから。





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『みんな…レッスン、おつかれさま、』






リクライニングにぐったりと体重を預けたAが、
俺らの姿を見て力なく微笑む。

いくつもの点滴に繋がれた彼女の姿は、
数日前よりももっともっと小さく見えた。




慧「…え、大丈夫？」




伊野尾の問いかけに、Aはへらりと笑う。

『熱がね〜…、下がらなくって。』









それだけ呟いて、げほこほと咳をこぼす。









いやいやいや、
どう考えたって話し合いできる状況じゃないでしょこれ。

医者じゃなくたってわかる。







今のAに、長い時間話せるだけの体力は無い。


『たぶんね、うまく話せない、から、げほけほっ、』







苦しそうに咳き込む彼女のその小さな手を、
山田がぎゅっと握った。




『仲野せんせいから、お話きいて、？』






想像よりも深刻そうなその病状に、息をのむ。








大切な人が苦しんでいるのを見るのって、
こんなにも辛いことだったんだ。








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