ぽーちゅらか

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慧「あーっ！圭人が抜けがけしてるー！」







雄也「うわマジかよ！ふざけんなお前！」

しんみりとした空間に、
突如響いた中学生みたいな叫び声。



私よりずっと年上のくせして、
私よりずっと年下みたいなふたり。





宏太「山田〜、圭人がA泣かしたー！」








圭人「え！ちがうよ！おれじゃないって！」


あたふたしだした圭人が、
控え室に入ってきた涼介を見て立ち上がる。




雄也「おっ！旦那が来たぞ！」









光「はははっ！旦那って！」





なんだか楽しそうな年上組を他所に、
涼介が私のすぐ隣に腰を下ろした。





涼介「…なに他の男の服きてんだよ、」








少しだけ不機嫌そうな彼が、
そう言って圭人のパーカーを脱がせる。


代わりに、自分のパーカーを肩にかけてくれた。







だいすきな香りが、鼻腔を擽る。









そのまま私を抱き寄せて、柔らかく包み込んだ。





涼介「…ほかの男の前で泣くなよ、」


『…メンバーじゃん。いまさらだよ。』


涼介「そういう問題じゃないの。」







涼介「…泣くなら俺の胸で泣けって言ってんの。」









『……ふ、』


ラジオのコーナーみたいな、
くさいセリフに思わず笑みがこぼれる。






涼介「笑ってんじゃないよ。」








あなたのその声も、性格も、温もりも。









努力家なところも、男らしいところも、
いつも味方でいてくれるところも。





『…だいすき、』





涼介「え？なに？聞こえなかった。」





意地悪な笑みを浮かべる彼の瞳を、じっと見つめた。





今日くらい、素直になってみようかな。



『わたしね、』









『りょうすけがいなきゃだめみたい。』




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