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仲野「お前はほんっとに…無理しすぎなの!」
『…はあい、』
次の仕事があるからとマネージャーが半ば強引に涼介を連れ出してすぐ、
入れ替わりで仲野先生が入ってきた。
かすれる声で気の抜けた返事をしながら、
私はさっきの涼介の涙を思い出す。
大切な人の涙を見るのって、やっぱりくるしい。
仲野「大体ね、なんで喘息で大発作起こして緊急搬送されてその上高熱も出して間もないのにダンスレッスン参加したわけ?収録だってギリギリOKなのに。」
テキパキと血圧の測定をしながら、
ペラペラと説教を垂れてくる先生。
よくもまあ二つのことをそんなに的確に同時にできるものだ。
なんだか頭がふわふわする感覚を覚えながら、
少しだけ目を瞑る。
仲野「血圧上がってこねーな…、薬追加するから。」
『うん、』
多少の気持ち悪さを感じて、首をこてんと横に向けた。
弱すぎる自分の体に、嫌気がさしてくる。
SpO2をチェックした先生が、
"また来るから"と言って病室を後にした。
さてもう一眠りでもするか。
そう思って再び目を閉じる。
その瞬間、ドアが開いた。
『あれ、…いのちゃん、』
見慣れたジージャンを羽織った伊野ちゃんが、
そこに立っていた。
無言で中に入ってきて、椅子にちょこんと腰掛ける。
慧「体調どう?」
少し裏返ったその声で、私にそう尋ねた。
『だいぶ楽になったよ、…心配かけてごめんね。』
酸素マスクに邪魔をされながら、何とか言葉を紡ぐ。
伊野ちゃんが、"そっか"って小さく呟いた。
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せな(プロフ) - まいさん» コメントありがとうございます!ご心配おかけしてしまいすみません…!!無事に完結できるよう頑張りますね〜!!温かいお言葉ありがとうございます!! (2022年3月4日 15時) (レス) id: b638a60bdd (このIDを非表示/違反報告)
まい - こんばんは!前回コメントさせていただいたものです。最近小説をちょこちょこ見に来てるのですが、更新されてないようで心配してます(焦)。是非最後まで、完結まで見届けたいと言う気持ちがあるので続き待ってます!!でも無理なさらず!お待ちしてます。 (2022年3月3日 23時) (レス) @page48 id: 8f49d2e699 (このIDを非表示/違反報告)
せな(プロフ) - 莉咲さん» コメントありがとうございます!!マイブームだなんて嬉しすぎます〜!温かいお言葉ありがとうございます。 (2021年12月25日 10時) (レス) id: b638a60bdd (このIDを非表示/違反報告)
莉咲(プロフ) - こんばんは、初めてコメントさせて頂きます。夜寝る前にこのお話を読むのが最近のマイブームになっています。次の更新も楽しみにしています。頑張ってください! (2021年12月23日 23時) (レス) @page36 id: 831d42e079 (このIDを非表示/違反報告)
せな(プロフ) - まいさん» コメントありがとうございます。読んで頂けて嬉しいです!温かいお言葉とても励みになります〜!ありがとうございます!! (2021年12月13日 11時) (レス) id: b638a60bdd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:せな | 作成日時:2021年11月21日 15時