ぽーちゅらか

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『おはようございまーす。』









移動車の中では誰も口を開かなかった。





そのせいか、少しだけ掠れた声で挨拶をする。




楽屋でも移動車でもこれでもかってくらい気まずかったのに
スタジオに入ればいつもの私たち。




我ながら、さすがプロだなあなんて思ってみたり。


雄也「おはよー。Aもう大丈夫なの？？」







『うん、ぜんぜん平気。心配かけてごめんね。』






慧「ほんとにただの微熱だったのかよお前〜！」






『ほんとにただの微熱ですー。』








控え室に入るなり心配の言葉をかけてくれるメンバーに、
温かさと共に申し訳なさを感じる。





圭人「あれ、今日のカラコンいつもと違う。可愛いね。」







ソファに座ってバッグの中をがさごそしていると、
けいとが隣から声をかけてくれた。





『やっぱり！？これ可愛いよね！』


裕翔「うわあ何口説いてんのけいと〜。」



圭人「え〜。だってほんとに可愛いんだもん。」








わちゃわちゃしてるとりんとりんの会話を聞きながら、
バッグからスクラブを取り出す。






ガサガサし始めた唇に、ササッと塗った。








鈴木「スタジオの準備できたから入ってー。」








鈴木マネの指示で、みんなが一斉に動き出す。





宏太「A、一緒いこ。」





『えー、すぐそこじゃん。』




レッスンウェアとダンスシューズを持って、控え室を出る。




スタジオに向けて1歩踏み出した、その時だった。









『……っ、！』






締め付けられるような痛みが、心臓を襲う。

膝から、がくりと崩れ落ちた。









雄也「え、A！？」







後ろを歩いていた雄也の驚いた声が聞こえ、
斜め後ろを歩いていたちぃちゃんが体を支えてくれる。








『……っ、』




意識が遠くなってく感じがする。



…いや。








痛みが強すぎて、意識を失うことも出来ない。

……くるしい、





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