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俺の声に、ゆっくりと顔を上げた大貴。
驚いた表情の彼の元へ、駆け足で向かう。
宏太「…なんでここに?」
大貴「…いや、」
大貴「ほんとに体調崩してるんならここに居るんじゃないかなって。」
大貴「肺炎起こした時も骨折した時も喘息で酷い発作起こした時も、この病室で入院してたでしょ?」
"だからもしかしたら、って。"
宏太「…そっか。」
大貴の隣に立って、ドアの横のネームプレートに目を向ける。
宏太「…予想的中だね。」
そこにはしっかりと。
"藤原A"。
…俺らの姫の名が、刻まれていた。
宏太「…開けるよ。」
躊躇いなんかなかった。
俺はただ、彼女の笑顔がそこにあると信じたくて。
大貴「…うん。」
大きめの深呼吸をまたひとつして。
宏太「…。」
その扉を、開いた。
.
『…あれ、2人ともどうしたの。』
ほどかれた綺麗な髪、桃色の可愛らしいパジャマ、テレビに映るあかちゃんまん。
『え、もしかして鈴木マネ話しちゃったの?』
『もうやだあ、ほんとあの人って嘘つくの下手なんだから。』
もー、って呟きながら、
点滴の繋がれたその手で前髪をかきあげる。
『…あ、お菓子食べる?さっき仲野先生がくれたやつあるよ。』
よっこらせ、なんて言いながら体を起こし、
ベッドの横にある棚に手を伸ばす。
『きのこの山とたけのこの里、どっち派?』
そう言って首を傾げる呑気なその姿に、
ふうっと肩の力が抜ける。
…良かった。
もっと、悪いことばっかり想像しちゃってたから。
ぽかんとする俺らを、彼女は椅子に座るよう促す。
『ごめんね、別に隠すつもりはなかったんだけど。』
『心配かけないようにって思ったんだけど、逆効果だったみたいね。』
なんだか顔色が悪く見えるのは、気の所為なんだろうか。
.
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せな(プロフ) - まいさん» コメントありがとうございます!ご心配おかけしてしまいすみません…!!無事に完結できるよう頑張りますね〜!!温かいお言葉ありがとうございます!! (2022年3月4日 15時) (レス) id: b638a60bdd (このIDを非表示/違反報告)
まい - こんばんは!前回コメントさせていただいたものです。最近小説をちょこちょこ見に来てるのですが、更新されてないようで心配してます(焦)。是非最後まで、完結まで見届けたいと言う気持ちがあるので続き待ってます!!でも無理なさらず!お待ちしてます。 (2022年3月3日 23時) (レス) @page48 id: 8f49d2e699 (このIDを非表示/違反報告)
せな(プロフ) - 莉咲さん» コメントありがとうございます!!マイブームだなんて嬉しすぎます〜!温かいお言葉ありがとうございます。 (2021年12月25日 10時) (レス) id: b638a60bdd (このIDを非表示/違反報告)
莉咲(プロフ) - こんばんは、初めてコメントさせて頂きます。夜寝る前にこのお話を読むのが最近のマイブームになっています。次の更新も楽しみにしています。頑張ってください! (2021年12月23日 23時) (レス) @page36 id: 831d42e079 (このIDを非表示/違反報告)
せな(プロフ) - まいさん» コメントありがとうございます。読んで頂けて嬉しいです!温かいお言葉とても励みになります〜!ありがとうございます!! (2021年12月13日 11時) (レス) id: b638a60bdd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:せな | 作成日時:2021年11月21日 15時