君の隣にいたいです【あほの坂田】

２５の隣 ページ28

『うーん…何着よ』


会いたくない

そう彼を突き放したのに、彼と会うからって、服を漁ってる。


(結局、好きなんだよなぁ…)


もう諦めた

好きだった

なんて言っても心はそう簡単じゃなくて

どんなに頭で

こうだ

と思っても心はずっと好きなままで。

全く諦めてなんかいない。


(そりゃ、そうだ。だって…)

彼と会えなかった8年間。

それだけかけても、想いを忘れることができなかったんだから。

こんな簡単に諦められるわけがない。


『…』


(…"どうしても会いたい"なんて、期待しちゃうじゃん…

君はいつも期待ばっかりさせる)


,



文化祭の衣装を見た時も

｢水城さん、それ似合ってるね！かわいい」



委員で失敗した時も

｢大丈夫やって。水城さんはちゃんと頑張ってたやん。僕は知ってるよ」



打ち上げをすることになった時も

｢打ち上げ？行くー！あ、水城さんも行こうや！」



卒業式の時も

｢アルバム僕も書くから書いて〜。あ、後で写真一緒に撮ろ！」


,



君はそうやって私を期待させる。

何度勘違いしそうになったか分からない。

勘違いせずに済んだのは、君がいろんな人と仲がよかったから。

私もその中の1人だって気づけたから。

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