君の隣にいたいです【あほの坂田】

２４の隣 ページ27

数日後

プルルル

スマホが鳴って、画面を見れば知らない番号。

嫌な胸騒ぎがしながら、通話ボタンを押した。


『…もしもし』

｢…もしもし、水城さん？｣

『…』


一瞬で誰かわかった。

忘れるわけないよね。数日前も会ったんだから。


｢坂田です｣

『…うん、知ってる』

｢あの、さ…｣

『うん』

｢会って話したい｣

『…』


｢10分でもいいから、お願い。僕と会ってほしい｣


『…それ、この間の私の言葉分かってて言ってるの？』

少し冷たい声を出す。

そうでもしなきゃ、君は優しいから、放っといてくれないでしょ。


｢…うん。分かってる、つもり｣

『なら、どうして？』

｢…どうしても、会いたくて｣

『…私、会いたくないって言わなかったっけ』


言葉を吐きながら、それに胸を痛める。

本当は会いたい。こんなこと言いたくない。

けど、君に会うのが怖くて、忘れたくて、どうしようもないんです。


ごめんね。




｢…ごめん…次で、最後にするから。お願い、します｣

『…わか、った』


そこまで君に言われてしまったら断れないじゃん。

10年以上想い続けてたんだから。

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