君の隣にいたいです【あほの坂田】

１５の隣 ページ18

あれから１週間。

坂田くんに関わるものを避けた。

放送もTwitterも全部見るのをやめて、仕事に集中した。


｢最近先輩張り切ってますね！大丈夫ですか？｣

『ん〜？何が？』

｢身体とかですよ。無理してません？｣


『…してないよ』


心配してくれる鈴ちゃんに、笑みを浮かべて答える。

｢ならいいんですけど…｣

『…あ。ごめん、お先に休憩もらうね』

｢あ、はい｣

私は立ち上がると、そのまま会社の屋上へと向かう。


『ふぅ…』

コーヒーを飲みながら息をつく。


坂田くんのことを考えまいとするものの

そんなもの到底無理な話で。苦しくなる一方だった。

あの顔が今でも離れなくて、嫌になる。


あの人たちのファンである鈴ちゃんを

坂田くんに関わる話を聞きたくないがために

少し避けてしまっていて、申し訳なくなる。


(ほんと、最低でバカだな…)

どうしようもない自分に、むしろ呆れ返ってしまう。


(記憶をなくせたらいいのにな…)


そんなこと、事故にでも合わない限り無理な話なのだけど。


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