君の隣にいたいです【あほの坂田】

１４の隣 ページ17

数日後

｢え、坂田と会った！？｣


休日である今日、雪と電話している。


『会社帰りに、友だちといるとこに出くわして』

｢坂田こっち出てきてたんだ…｣

『ううん。遊びに来てるだけみたい』

｢え、何。話したの？｣

『ううん…

あの人、歌い手っていうのやってるらしくて。調べたら出てきた』

｢え…歌い、て…？｣

『うん。ネットで活動してる歌手らしい』

｢そ、そっか…｣

『…』


｢その、それでどうなったの？｣

『…一緒にいた友だち？にファンだと勘違いされて』

｢うん｣

『…嫌そうな目で見られて、逃げてきちゃった』

｢っ…そっか…｣

『あの人も、覚えてなさそうだったし、もういいんだけど』

｢…｣


『…こんなことなら、出会いたくなかったなぁ…』


｢そんなこと言わな｣

『ごめん』

雪の言葉を遮る。


｢…｣

『私、そんなに強くない。

ずっと想ってたのは、諦められなかっただけだから。

だから…もう忘れさせて』

｢…Aは…Aはそれでいいの？｣

『…いいよ。というか、忘れたい。もう、辛い』

｢…そっか…｣

『なんか、ごめんね。ありがと』

｢ううん。私とAの仲でしょ？いつでも聞くよ｣

『…ほんとありがと』


｢…もうこの話やめよっ！大晦日のことでも決めよ〜｣

『…そうだね。どこ行く？』

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