夢の蝶 (ページ3)

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服を着て、下に降りると狐の男の人がいた。

「へぇー、、、下ってこんなになってたんだ。」

「あ、きたきた…いいじゃーん！似合ってるね」

「あ、ありがとうございます」

「そうそう早速なんだけどぉ、、、」

「あ、そう言えば名前言ってなかったよね、」
そう言うと、

「僕はハタル狐の妖怪さ」

………何か、暖かな風が吹いた気がした。

ハタルさんの目は、赤い色で白い肌をしていた

結構整った顔をしている。

「僕や白菊は人間ぽいけど魚みたいなのとか"the物"っていう妖もいるんだー」

「は、はあ…」

…私がひとつ、誤解をしていたかもしれない。

ハタルさんは、怖くない、ということ。
優しくて、いい人だということが分かった。

その後は、ハタルさんの話により、この世界の妖について色々口頭で教えてもらった。

私が追いつけてないのが分かったのか笑って、
「明日、出かけてみる？」

「はい、」

「また、来るよここに。」

なんて約束もしちゃったり、

「てかさ！？ここね僕の店の2階なんだよね！？」

「まるで自分の家かのようにゴロゴロしていたけどさぁー！」

なんて文句を言ってるのを聞いたりと、、、
この世界は、案外楽しいのかもしれない。

私が人間だった頃、みんなに気を使って自分を押し殺して、それでも自分は評価されない。

それでもいいからみんなに愛されるように頑張って、部活でも、生徒会に入っても、雑事を自らやって。
あれでよく爆発しなかったな、なんて思う。

お父さんだってお母さんだって、いなくて、
共働きで、いつも一人のご飯。

寂しいなんて言葉は、もう私の辞書には乗っていなくて、、、
「温めて食べてね」なんて張り紙と共に置かれていたオムライス、いくら温めても美味しいとは、思えなかった。

「？どうしたの、、、あっー！ご飯食べよっか」

「…はい」

「ふふ、美味しいんだよねサクラと、ウメの作るご飯は。」

「サクラと、ウメ…って服をくれた子達ですよ、ね」

「そう、多分なんだけど僕的にはサクラと、ウメ、蝶羽ちゃんのこと結構好きだと思うよ、」

「え、、、？」

「だって、サクラと、ウメ僕には一切笑わないし、、、」
初対面で笑いかけてくれるって結構好かれてる証拠だよねー、
なんて笑ってるハタルさんは、心から言ってくれてる気がした。
私、ここでなら暮らしていけそうです。

ある少女は妖の世界に迷い込みそこで、幸せに暮らしたいと願った。