これから。 (ページ8)

今日:7 hit、昨日:58 hit、合計:50,375 hit

Story7 ページ8

Side nb

　俺は、夕食を作るため2人と別れ家路に着いた。公園の前で足を止め、遊んでいる小学生くらいの子たちを見て蓮が成長した姿を考えた。涼太と蓮と俺、みんな笑っている。やっぱり涼太には笑っていてほしい。

nb「お前も笑ってる涼太の方が好きだよな？」

と蓮に問いかけてまた歩き出した。

dt「ただいまー」

少し弾んだ声が玄関から聞こえた。きっとそれほど楽しかったのだろう。

nb「ご飯つくったけど食う？」

dt「珍しい。翔太がご飯作るなんて。もちろん食べるよ。」

向かい合って座ってご飯を食べた。美味しそうに食べる涼太を見て作ってよかったと思った。

nb「今日さ、蓮を連れて照と阿部とカフェで話してたんだ。」

dt「え、それならみんなで会えばよかったじゃん。」

nb「お前のこと相談したくて」

涼太はどうゆうことなのか分からないといった顔をして俺の話を聞いた。

nb「最近、涼太元気なかったから育児としての先輩の2人に聞きに行ったんだよ。そしたら産後鬱じゃないかってさ。俺、また涼太に負担かけてた。ごめん。」

驚いた顔をした涼太はそのまま少し固まって動かなかった。静かなダイニングには蓮の寝息だけが聞こえた。

dt「育児をはじめて最初の方、蓮が泣いたら泣き止ませないとって頑張ってたんだけど、今はうるさいなとしか思えなくって、そんな自分が嫌になって何もかも放り投げたくなって、辛かった。翔太は毎日、同じ時間に帰ってくるようにしてくれてるけど家にずっと蓮と2人だと世間から切り離されたような感覚になって。」

俺は涼太の席の隣に座って手を握った。涼太は俯いてズボンを強く握った手に何粒もの涙を落とした。

dt「ごめん。ご飯冷めちゃった。せっかく作ってくれたのに。」

nb「ご飯なんて今はどうでもいいよ。涼太、俺をもっと頼って、もっと甘えて。」

俺は涼太を強く抱きしめた。

nb「涼太にはこれからもずっと笑っていてほしい。」

そういうと涼太は涙を流しながら微笑んだ。