これから。 (ページ13)

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Story12 ページ13

Side dt

　蓮は高校生になった。それと同時に反抗期もはじまって家の中は俺と蓮だけだと、とても静かだ。翔太がいても俺と翔太が話すばかりで会話に入ってこない。

　蓮が高校3年生になり進路を決める際、俺と翔太と蓮の3人でリビングに集まって話をした。

　耳が痛くなるほど静かなリビング。俺と翔太は蓮の目の前に並んで座った。俺は蓮が決めたことなら背中を押すつもりでいた。それは翔太も同じで、俺たちは蓮のこれからを聞きたかった。

dt「蓮はこれから何がしたい？」

　蓮はまったく俺たちと目を合わせようとしない。何も言ってくれない蓮に困っていると翔太が

nb「蓮、黙ってたら分からない。言いたいことがあるんならはっきり言え。」

と言うと、蓮はゆっくりと俺たちのほうを見て話しはじめた。

mm「俺、アイドルになりたい。小さい頃から思ってて、友達に何度もバカにされて諦めようって思った。だけど、やっぱり諦めきれない。」

　小さい頃、康二やラウールと蓮の3人でやっていたアイドルごっこを思い出した。アイドルをまだ目指していてくれた事が本当に嬉しかった。やっと聞けた蓮の本音はまっすぐで、俺は翔太と目を合わせ微笑んだ。もちろん俺の答えも翔太の答えもひとつだ。

nb「俺は蓮が決めたことなら賛成。涼太は？」

mm「えっ」

dt「もちろん俺もそうだよ。」

mm「え、ほんとにいいの？アイドルだよ？分かってる？」

nb「なんだよ。おっさんだってアイドルぐらい分かるわ。」

そんなやり取りが面白くてつい笑ってしまった。それから蓮はよく俺たちと会話するようになった。