Story10 ページ11
Side dt
翔太は帰ってくるや否や今日のことを聞いてきた。やはり翔太も気が気ではなかったようでいつもより少し早く仕事を切り上げ帰ってきたようだった。
nb「蓮は?どうだった?」
俺が幼稚園で見たことをすべて話した。
すると、
mm「どうしたの。」
と蓮がリビングのドアから玄関を覗くようにして見ていたことに今気づいた。
dt「あ、えっと、、、」
と迷っている自分の横を翔太は通り抜けて蓮の前でしゃがみこんだ。
nb「幼稚園の話、詳しく聞きたいねって涼太と話してたんだよ。蓮は幼稚園楽しい?」
逃げられないように翔太は蓮の小さな手をそっと両手で包み込むようにして握った。蓮は俯きながら首を小さく横に振った。
nb「どうしてだろう?教えてほしいな。」
俺もよく聞きたかったので翔太の隣にしゃがんで蓮を見つめた。
mm「おれ、もっとほかの子とおともだちしたい。おんなの子じゃなくておとこの子のおともだちがほしい。」
蓮は泣きだした。翔太が抱きしめて背中をさすってあげている。
そういうことだったんだ。知らなかった。というか気づいてあげられなかった。気づけなかった悔しさと悲しさで俺も泣きそうになった。それをやっぱり翔太は気づいてて俺の背中もさすってくれた。
次の日、蓮はいつも通りバスに乗った。すると、先生に声をかけられた。
「昨日、どうでしたか?」
dt「あ、実は蓮、女の子に囲まれて他の子と仲良くできなかったのが嫌だったみたいで、、、」
「そうでしたか、、、。こちらでも何かできないか考えてみます!」
dt「ありがとうございます。今日もお願いします。」
と言ってバスが見えなくなるまで俺はずっと玄関先に立っていた。
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血恐 政宗 - 尊い (10月21日 16時) (レス) @page3 id: 0423cd7255 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:荒木 | 作成日時:2023年6月22日 21時