荒野に咲き誇る紅い華 Ⅶ (ページ39)

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☆ ページ39

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公演の日がやってきた。

わたしはほとんどずっとステージ上にいることになるから早着替えが成功することも今回重要になってくる。

『ごめん、ノーマターのあとの早替えだけもう一回やらせて。』

田「おっけ」

岸「しゃ、やるか！」

岩橋「A、落ち着いてやれば大丈夫だよ。」

『…うん、、』

実は、ずっとここの早替えの成功率は50%だった。

本番で失敗するわけにはいかない。
ちゃんとやらないと。
お客さんの見ている前では成功しかありえない。

『～っ、』

『ごめん…』

京「シノ、、」

『ごめんなさい、もう一回お願いします』

森「シノ、焦っちゃダメだよ」

『…うん。』

そんな焦りがどんどんわたしをダメにしていった。

本番までそのパートだけを何度も何度も練習したのに、成功したのは一回だけで、今までにないくらい不安なままステージを迎えることになってしまった。

こんな顔してちゃダメだ。

しっかりしないと。

岸「A、」

『優太くん』

岸「ん、、大丈夫だから。Aなら本番で成功できっから。俺が付いてる。だから大丈夫。」

『…うん』

岸「深呼吸しようぜ」

『…うん』

岸「今日も、Aが世界一可愛いよ。」

『…ふふ、うん。ありがとう』

みんながステージ裏に集まり出した頃、わたしの不安を見抜いた優太くんがぎゅっと身体を抱きしめて声を掛けてくれた。

すごい、落ち着く。

優太くんはわたしの安定剤だ。

ジ「よし、行くよ」

『…頑張ろうね。』

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