黙って隣にいてくれる人�� ページ19
草間サイド
らぶに「ちゃどちゃん」なんて俺には似合わへんような可愛いあだ名で呼ばれるようになったのはどんだけ前やったかな…って伏し目がちな姿を見ながら考えた。
けど、この誰にも呼ばれへんらぶだけのあだ名はらぶからの俺への信頼の証な気がしてちょっとだけ誇らしい。
らぶが俺の隣に腰を下ろすたびに「あんま考えすぎたらあかんで」って声をかけてた頃が懐かしい。
知らん間にあのときの少女は大きくなって、めちゃくちゃ綺麗になってた。
いや、知ってはいたけど、、
どんどん誰も手が届かへんところへ昇っていってるような気がした。
らぶ自身の気持ちすらも置き去りにして。
『なあんかさ、ちゃどちゃんって昔からめっちゃ不思議な力があるねん。』
草間「そうなん？」
『うん。ちゃどちゃんが隣にいてくれるとさ、心がすーってなって余計なこと考えんとこって思える。』
草間「なんやろなあ、それ(笑)」
『ほんまに、、ちゃどちゃんって不思議やなあ。』
俺がずっと昔から言い続けてた考えすぎるな、って言葉がもしかしたららぶの中で無意識に残ってるんかもしれんな。
それがおまじないみたいなもんになってたら、嬉しい。
らぶの周りにはきっと過保護な人たちはいっぱいおるやろうから…、
たぶん俺の役割はこうなんやろうなってなんとなく自分で理解してる。
「あっ、見てジャニーズの子…」
「ほんまや、一緒にいるの誰？」
「あの子もジャニーズじゃない？」
「へえ、、もしかしてそういう感じなのかな？(笑)」
「え〜？(笑)」
そんなとき局の職員みたいな人がふたり、俺らを見ながらこそこそ話しているのが聞こえた。
俺に聞こえてるってことはもちろん、らぶにも聞こえてたんやろう。
『……っ、』
がた、と音を立てて立ち上がったと思ったら『ちゃどちゃん、そろそろ戻ろっか』って無理に笑った。
こんなこともらぶにとっては日常茶飯事なんやろう。
けど、根も葉もない噂に振り回されるのはもううんざりや。俺だって、きっとらぶだって。
草間「っ、待って」
『え、、』
草間「気にしたら負けやろ、こんなん。」
『…けど、』
草間「らぶが申し訳ないって思うことない。好きなこと、好きなようにして、好きな人に会う権利がらぶにもあるんやから。」
『…うん。』
草間「迷惑とかじゃないから。俺がいたくておるだけ、ここに。」
いつになったららぶはこの視線から解放されるんやろう。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 7049人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
こり - 1番好きな作品です。らるさんのペースで更新待ってます！ (5月2日 7時) (
レス) @page43 id: 3ea7e1323f (このIDを非表示/違反報告)
うな！ - つづきが見たいです涙涙 (2023年2月22日 21時) (レス) @page43 id: 4785f44992 (このIDを非表示/違反報告)
佑妃奈(プロフ) - 柊真くんが出てきて嬉しいです!! (2023年1月5日 18時) (レス) id: 560bd373a9 (このIDを非表示/違反報告)
神崎(プロフ) - らるさん» いつまでも待ってます！ありがとうございます！😊 (2022年12月18日 21時) (レス) @page20 id: 570d2293d8 (このIDを非表示/違反報告)
らる(プロフ) - 神崎さん» コメントありがとうございます！7ORDERについてヒロインと再会出来るのはずっと後なんですが、どこかで登場させたいとは思っています！中々タイミングが難しいのですがお待ちいただけると嬉しいです！ (2022年12月18日 15時) (レス) id: b46fc1d595 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：らる
| 作成日時：2022年12月5日 12時
