Lonely girl ��

空を飛びたい�� ページ38

京本サイド









美勇人悪いんだけど、暫く現場一緒の時とかAのこと見といて欲しい



少し前、美勇人からこんな連絡が来た。

だからサマパラ見に行った時とかも彼女の様子を見てきたけど、特に変わったところはなくて。


美勇人は心配性だなあ…なんて思っていた。



俺にとって愛濱Aは、、なんというか、すごく不思議な存在だった。







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『…あれ、京本くんまだ帰らないんですか？』


京本「あ、うん…。これからボイトレあって」


『へえ…凄いですね。』


京本「え？」


『自分の魅力を磨くために努力してる人って…尊敬します。』



数年前…確か、Aちゃんが東京に来て少し経ったくらいの頃。

バカレアが解体されて焦ってて、何か自分にしかないものを手にしたい…そう思って俺はひたすらに歌を練習していた。


ボイトレまでの時間の合間に少しだけレッスン室に残っていると、タオルとドリンクを抱えたAちゃんがやって来て俺の隣、1人分空けて座った。

当時の俺は彼女に対して余り良いイメージを持ってなくて。
ジャニーさんのお気に入りだから仕事が貰えるんだ。前で歌わせてもらえるんだ…なんて穿った見方をしていた。



その気持ちのほとんどは多分、彼女がジェシーと北斗と一緒にクリエに出たことへの嫉妬からきていたんだろうなと今冷静に考えると思う。



京本「そっちも…歌、上手いじゃん」


『………そんなことないですよ。』


京本「え？」


『、、わたし、本当は歌うの嫌いやし』


京本「えっ、」


『、、、すみません。何もないです、忘れてください。じゃあわたし…行きますね。お疲れ様です。』


京本「あっ、ちょ！」


『…あ。京本くんは声が高くてすごく綺麗だから、高音にビブラートをかけることを意識して練習すると…ジャニーズにはいないタイプのボーカルになれると思いますよ。それじゃあ。』



歌うのが嫌い、


そう言いながらも俺に的確なアドバイスをくれたAちゃん。
あの時からずっと…何を考えているのか分からない彼女のことが気になって、、

自分から話しかける勇気なんて待っていなかった俺は影から、彼女の成長を見ていた。









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