Lonely girl ��

ついに明かされた秘密�� ページ35

渡辺サイド









永瀬「…これが、らぶの難聴の全てです。」



それはまだ子ども同然だった4人にとっては壮絶すぎる経験で、、きっとアイドルなんかじゃなかったら経験しなくても良かったようなことだった。

「ジャニーズ」だったせいで、彼らは追い詰められて…それでも4人で身を寄せ合ってこの世界を生きていた。



Mr.Kingで批判に晒されてたのはらぶだけじゃない。
海人だって、関西3人組の中になんでいるのって言われたり、一人だけ人気が劣ると言われてたのを知ってた。

だから余計に…彼女の境遇に共感するところがあったんだろう。
もしかしたら、「次は自分かも」なんて思っていたかもしれない。


胸が苦しくなった。


俺たちよりも年下のこいつらが何年も前から現実と向き合っていたのに、、何も知らなかった。気づくことさえ無かった。

それは、愛濱Aが「プロのアイドル」だからだろう。







外は雨が降り続けていて、雨粒が窓を叩く音がしんとした室内に響く。





永瀬《A、何か言いたいことある？》


『…(首を横に振る)』


永瀬「…そっか。」


岩本「その、手話は…さ、」


永瀬「…らぶとのコミュニケーションのために勉強しました。多分やけど、Love-tuneのメンバーもみんな出来ますよ。」


平野「らぶと話すにはこれが手っ取り早いもんね。」


永瀬「うん。あんまり耳、疲れさせたくないし。」




俺も手話は少しやってる。それがちょっとした自慢だった。
…だけど、そんなにすらすらと会話ができるほどじゃねえし、、とにかく何もかもが負けてる気がした。

悔しかった。





《ちょっと疲れたから、外で休んできても良い？》


永瀬《ひとりで大丈夫？紫耀と行く？》


《ううん、事務所の中だからひとりで大丈夫》


永瀬《、、、わかった。気い付けてな？》



永瀬「…すみません、らぶちょっと疲れたみたいで、しばらく席外させてください。」


深澤「あ、うん、、」


『……(ぺこり)』



少しふらついた足取りで部屋を出て行くらぶは危なっかしくて、どこか目が離せなかった。





永瀬「、、で、正直らぶのことどう思ってんすか？」



彼女がいなくなった部屋で、永瀬はすぐに話を切り出した。









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