Lonely girl ��

いつも通りが怖くなる�� ページ31

阿部サイド









『皆さん今日は来てくださって本当にありがとうございました！また会いましょう〜！』



翌日以降、彼女は本当に何事もなかったかのように会場にやってきては、公演を繰り返した。

そして今日が最後の公演。
耳が全然聞こえていないなんて誰にも気付かれることなく、完璧に最後までやり遂げて見せた。



一度、らぶのイヤモニの音量を確かめさせてもらったことがあった。

鼓膜が破れるかと思った。


あの音量でやっと音が拾えるくらいなんだから、相当だ。
それをずっと隠し続けてきたなんて…彼女のプロ根性には脱帽するしかなかった。

俺たちより芸歴も短ければ、俺たちよりもまだまだ若いらぶ。
彼女が生き抜いてきた険しい世界を見せつけられたような気がした。


敵わない。
ステージでのパフォーマンスも、ビブラートの効いた伸びのある歌声も、何があってもアイドルを全うするその姿勢も。





俺たちはあの日、らぶの病室を訪れた日にひとつの約束事をしていた。

「サマパラが終わったら、難聴のことについてちゃんと話す」

ということ。

らぶが提示した交換条件は「サマパラ期間中はそのことについて一切触れない、気を使わない」ことだった。



幕が開けばいつも通り、普段となんら変わりのないらぶの姿があって、本当に聞こえてないのかな？なんて思ったりもして。
でもMCとかになるとあんまり喋りたがらなかったり、イヤモニをしきりに触ったりしているのを見て、やっぱり聞こえてないのか…って思い知ったり。



俺は、そんな彼女が怖かった。


まるでアンドロイドみたいな…アイドルをするためのロボットのように思えて仕方なかったんだ。









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ついに明かされた秘密�、�←傷だらけの想い��

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