Lonely girl ��

傷だらけの想い�� ページ30

顕嵐サイド









なんでAばっかりがこんなに辛い思いさせられなきゃいけないんだよ。

これが、俺の一番最初に出てきた思い。


だってそうだろ。

今までだって数え切れないくらいの批判に晒されて、それでもファンに対してはあくまでも強く逞しく見えるように、アイドルとしての愛濱Aを演じてきた。


それが俺たちと切り離されて、それがまた新しい火種を生んで、、

こんな風になるなんて。


許せるはずなかった。
過去に一度決めた決心を否定しても、俺はAを自分たちの手の中に取り戻したかった。




森田「…でも、きっとAはそれを拒否するよ」


長妻「なんで、、」


森田「自惚れとかじゃなくて、Aは俺らのことすっげえ大事にしてくれてるから。」


安井「うん…Aは多分、自分がどれだけ傷付けられたとしても、俺たちを守る方を選ぶよ。これからもね。」


顕嵐「それじゃあ、Aは誰が守るんだよ…っ」


萩谷「…」



俺たちがAと一緒に居られる時間は残り少ない。
その時がきてしまえば、もう会えない。

それが分かってるからこそ、、こうして彼女をひとり残していくことが苦しくて堪らない。


俺たちが居なくなった後の彼女の拠り所はどうなる？
誰があの子を支えてくれる？

無理に決まってる。

また無理をして同じことが起こる。


そんなの、分かりきったことだ。

それなのに何も出来ないなんて…そんなの嫌だ。
いつだってAは俺に寄り添って、元気をくれたのに、頑張る勇気をくれたのに。
何も返せないまま離れてしまうなんて…。





諸星「Aは…優しすぎるよ。」


安井「ね。もっと我儘に…自分勝手に生きて良いのにさ。いっつも周りのことばっかり優先させて…」


真田「まあ、それがAだから仕方ないんだけどね。」



俺にもっと力があれば、強引にでもAの腕を引っ張って連れ出してやれるのに、、ありふれたアイドルの端くれでしかない自分が悔しくて仕方ない。


念のためにと頭に巻かれた包帯が痛々しい。

助けてやれない現実がもどかしい。



Aはこんなに傷ついてるのに…結局俺は何もしてあげられない。








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