Lonely girl ��

静まり返る部屋�� ページ24

阿部サイド









「「…。」」



6人で戻った楽屋は誰も言葉を発することなく静まり返っていて、それぞれがパニック状態の頭でなんとか物事を理解しようとしているのが見てとれた。



岩本「えーっと…らぶが耳聞こえないって知ってたやつ、いねえの？」


照のその言葉に応えるものは誰もいない。

それは、俺たちが何も知らずにのほほんとこの3ヶ月を過ごしていたことを意味していた。


この3ヶ月、誰よりも愛濱Aに近い場所にいたくせに、6人のうち誰ひとりとして気が付かなかったんだ。

情けなくて涙が出た。




渡辺「、、あの感じ、相当前からだよな」


佐久間「…だろうね。」


岩本「俺たち、マジでアイツのこと何にも知らねえんだな…」


こんなことになってようやくそんなことに気がつくなんて。

俺たちはらぶとは違う。もう6人全員が成人済みのいい大人だ。


それなのに、未成年の守られるべき存在の彼女がいつも矢面に立っていて苦しんでいるのをただただ黙って見てた。


知らなかった、じゃない。
知ろうとしなかった、

意図的なそれは、確実に俺たちの罪だ。






「すみませーん…愛濱さんいらっしゃいますか？」


そこへやってきた若めなスタッフ。

照が今は席を外してると告げると、


「あ、そうですか。では『今日のあのお客さん出禁になったから』と伝えてください。では！」


と、また俺たちの知らない何かを投げかけて帰っていこうとする。



深澤「ちょ、待ってください。あのお客さんって、、？」


「え、皆さんご存知無いんですか？」








" 今日愛濱さん、アンチにペンライト頭に振り下ろされて怪我されたんですよ "








「え、本当に知らなかったんですか？まあ…しゃがみ込んだすぐ後にちゃんと立ち上がって普通にステージ戻ってましたもんね、愛濱さん。」




俺たちはもう一度顔を見合わせる。




…知らない。









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