Lonely girl ��

灰色の空が落ちてくる�� ページ15

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『……』

　


8/7、早朝。

車での迎えを断ったわたしは、最寄駅からひとり歩いていた。


一歩歩くたびに、頭に色んな映像が流れる。

わたしが今歩いて向かっているのは…その思い出たちとは反対の場所。



景色が濁って見える。
色って、こんなに汚いものだったっけ。

思わず手のひらを開いて見つめる。


…何も無い。
この手の中にあったはずのものは全て無くなった。
今のわたしには何も無い。



まるで、空が降ってくるかのように世界が灰色に包まれた。






わたしのファンの子たちは、どれくらい来てくれるんだろう。

自分がファンの子の立場だったら、こんなにリスクのある恐ろしい現場、絶対に行きたくない。


だって他の6人のメンバーのファンのほとんどがわたしのことを認めていなくて、その人たちに何をされるか分からないんだから。

いわゆるアンチ、と呼ばれる人たちが圧倒的に多いわたし。
まあそりゃそうか。だって好きな人の隣に立ってる女やもん。そりゃあ、腹が立って当たり前だ。


そんなことが常態化していたわたしは、批判にはめっぽう強い方だと思う。

目の前でわたしの顔がぐちゃぐちゃにされた団扇を掲げられても、通路を通ったときに暴言を吐かれても、例え無理に腕を引っ張られたって別に今更何も思わない。

「そんなこともあるよなあ」って思うだけ。


これは、良くない"慣れ"なのかもしれない。
でも、こうなるしかわたしがここで普通を装って生きていく道は無かったもんやから、仕方ないとも思う。



本当の意味でSnowMan愛濱Aが今日から始まる。




『…空、飛びたいなあ』




自由に空が飛べて、行きたいところに行けたらどれだけ良いだろう。


本当はずっと、ここから逃げたくて堪らない。









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