目の前に広がるのは�� ページ39
.
精神的にもギリギリで、昨日の公演が終わった時点で酷い耳鳴りに悩まされた。
でも、やらないって選択肢はわたしには無かった。
そうして立ったソロコン最後のステージ。
神ちゃんの作ってくれた「終わらないmemories」を歌いながら会場を見渡していると、ふと見慣れた姿が視界に入った。
『っ、、、』
みんなが戸惑っているのが空気でわかる。
だってわたしは歌うことをやめてしまったんやから。
少し遠目からやけど見間違えるはず、ない。
大好きな、みんなの姿…
なんでここに？なんて考える余裕は無くて。
また涙が溢れた。
顕嵐「…Aがんばれ。」
顕嵐がそう言ったような気がした。
みんなの声は、どこにいたってどれだけ聞こえなくなったって、鮮明に耳に飛び込んでくるんだよ。
みんなの声だけは…ちゃんと聞こえてるんだよ。
…見に来てくれたんだね。
震える手で強くマイクを握りしめて音を奏でる。
わたし、みんなに見て欲しかった。
そのために今日まで頑張ってきた。
頑張って…良かった。
曲が終わると、予定とは異なって照明が落ちた。
『、、えっ？え！？』
戸惑っていると真っ白なペンライトで客席に文字が浮かび上がってくる。
ア、リ、ガ、ト、ウ、
ありがとう…。
『うそ、、、すごい、、っ』
ここはなんて温かい場所なんやろう。
わたし…こんなに幸せな気持ちになって良いの？
『ありがとう…わたしの方こそっ…、好きでいてくれてありがとう…！わたし、ほんまに幸せや、、』
こんなに素敵な人たちがわたしを応援してくれていて、ありがとうって言葉を伝えてくれて、それだけでアイドルとして最高の幸せじゃないか。
自分のことばかりで周りが見えてなかった。
敵だらけだと思ってた。
でも違う。
わたしのためにこんな素敵な企画を考えたり協力してくれる子たちがファンでいてくれてるんだ…。
ちらりと彼らに目を向けると、ハンカチか何かで目を押さえたりゴシゴシと擦っているように見えた。
わたしのために、泣いてくれる人だっている。
目の前には、どんなステージよりも輝いて見える景色が広がっていた。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 3453人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
らる(プロフ) - さなさん» みなみちゃん可愛いですよね！乃木坂のエピソードもどこかで書けたらなと思ってます〜！ (2021年3月13日 12時) (
レス) id: b46fc1d595 (このIDを非表示/違反報告)
さな - みなみちゃんかわい〜！ (2021年3月12日 17時) (レス) id: c72669a0d9 (このIDを非表示/違反報告)
らる(プロフ) - よーこさん» コメントありがとうございます。鋭いですね！実はその曲に関するちょっとしたお話を明日あたりに出したいなと思っています。現在の時間軸までのある程度のストーリーは考えているので、楽しみにしていてもらえると嬉しいです！ (2021年2月18日 23時) (レス) id: b46fc1d595 (このIDを非表示/違反報告)
らる(プロフ) - つばささん» コメントありがとうございます。お話によりリアリティが出るよう設定など細部にも時間を割いて拘っているのでそのお言葉とても嬉しいです、ありがとうございます！これからもこの作品を是非楽しんでください！ (2021年2月18日 23時) (レス) id: b46fc1d595 (このIDを非表示/違反報告)
らる(プロフ) - 秋さん» コメントありがとうございます。そう言っていただけて本当に嬉しいです！今後も先の展開が気になるお話に出来るよう更新頑張ります！ (2021年2月18日 23時) (レス) id: b46fc1d595 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：らる
| 作成日時：2021年2月12日 10時
